“単衣物”のいろいろな読み方と例文
旧字:單衣物
読み方割合
ひとえもの83.3%
ひとへもの11.1%
ひとえ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫はその間に洋服をセルの単衣物ひとえものに着かえてしもてまして、わたしたち見た瞬間ちょっとイヤな顔しましたが、すぐ平気になって
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かたの如く結城ゆふき単衣物ひとへものに、八反の平ぐけを締めたのが、上に羽織つた古渡こわた唐桟たうざんの半天と一しよに、その苦みばしつた男ぶりを、一層いなせに見せてゐる趣があつた。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
衣紋竹えもんだけに掛けた裾模様の単衣物ひとえに着かえ、赤い弁慶縞の伊達締だてじめを大きく前で結ぶ様子は、少し大き過る潰島田の銀糸とつりあって、わたくしの目にはどうやら明治年間の娼妓のように見えた。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)