“ひとえもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
単衣44.9%
単物30.8%
単衣物19.2%
一重物5.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
としは二十八でありますが至って賢い男、大形おおがた縮緬ちりめん単衣ひとえものの上に黒縮緬の羽織を着て大きな鎖付の烟草入たばこいれを握り、頭は櫓落やぐらおとしというあたま
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかし困る事には、いつも茶の竪縞たてじま単物ひとえものを着ているが、膝の処には二所ふたところばかりつぎが当っている。それで給仕をする。汗臭い。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
「みいおべべ。」と、みいちゃんは、しきりにいって、こんどは、これをきせてくれというのです。しかし、それは単衣物ひとえものでありました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おそくなって失礼しました。」と進は年増の芸者に帽子と二重廻を渡し、おめし一重物ひとえものに重ねた鉄無地一重羽織てつむじひとえばおりひも結直むすびなおしながら、卓の上に小皿とはしの置いてある空席に坐る。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)