“ひとへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
單衣34.1%
単衣26.7%
一重22.2%
10.4%
1.5%
1.5%
一片0.7%
単弁0.7%
單瓣0.7%
一衣0.7%
単純0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
傷は出合ひがしらに胸を突かれたものの、刄物は幅の狹い匕首らしく、單衣ひとへの乳の下を一とゑぐり、なか/\物凄い手際です。
銘仙矢絣やがすり単衣ひとへに、白茶の繻珍しゆちんの帯も配色うつりがよく、生際はえぎはの美しい髪を油気なしのエス巻に結つて、幅広のねずのリボンを生温かい風が煽る。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
で、あしはこうちいたいたので、宛然さながら城址しろあと場所ばしよから、もり土塀どべいに、一重ひとへへだてた背中合せなかあはせの隣家となりぐらゐにしかかんじない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かけたりける因て久兵衞は逃損にげそんじたりと思ひながらものがるゝだけは云拔いひぬけんと何卒御免おゆるし下されよ私しは決して怪しき者に候はずひとへ御勘辨ごかんべん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
涙をぬぐふ朱雀院を中心に、光源氏と、ものも言はずうち伏しゐる女三の宮と、それをめぐる女房たちの長い黒髪や、十二ひとへの衣の乱れるやうにひろがつてゐる場面が写されてゐる。
還りては一三我が從父をぢ一四にまし、また天の下治らしめしし天皇にますを、今ひとへに父の仇といふ志を取りて、天の下治らしめしし天皇の御陵を悉に壞りなば、後の人かならずそしりまつらむ。
一片ひとへ黄朽葉きくちば
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
一片ひとへ緑葉みどりば
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
花は淡紅うすくれなゐの色たぐふべきものも無く気高く美しくて、いやしげ無く伸びやかに、大さは寸あまりもあるべく、単弁ひとへの五ひらに咲きたる、極めてゆかし。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
花紅にして単弁ひとへなるもの、珍しからねどまことの躑躅花のおもむきありと思はる。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
單瓣ひとへ四片よひら白蓮華びやくれんげ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
單瓣ひとへ四片よひら
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
只、身すがらにといで立ちはべるを、紙子かみこ一衣ひとへは夜の防ぎ、かた、雨具、墨、筆のたぐひ、あるはさりがたきはなむけなどしたるは、さすがに打捨てがたく、路次のわづらひとなるこそわりなけれ
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自力で道に入るといふことは、白隠のやうな人物ですら容易で無い。吾他力宗は単純ひとへに頼むのだ。信ずるのだ。導かれるのだ。凡夫の身をもつて達するのだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)