“ゆかた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユカタ
語句割合
浴衣93.0%
湯帷子2.9%
裕衣1.4%
湯衣1.1%
浴帷子0.7%
單衣0.2%
沿衣0.2%
浴着0.2%
湯帷巾0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白地の浴衣ゆかたに、この頃はやる麻の葉絞りの紅い帯は、十八の娘をいよいよ初々ういういしく見せた。林之助はもう一度お絹とくらべて考えた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その娘は女中だったと見えて、稽古に隣へ来ていると云う外の娘達と同じような湯帷子ゆかたを着た上に紫のメリンスでくけたたすきを掛けていた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
これがとまりくと、大形おほがた裕衣ゆかたかはつて、帯広解おびひろげ焼酎せうちうをちびり/\りながら、旅籠屋はたごやをんなのふとつたひざすねげやうといふやからぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
女は荒い中形模様の湯衣ゆかたを着て、殆ど仰向きに倒れている。併し、着物が膝の上の方までまくれて、ももがむき出しになっている位で、別に抵抗した様子はない。
D坂の殺人事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
十八九ばかりの書生風の男で、浴帷子ゆかた小倉袴こくらばかまを穿いて、麦藁むぎわら帽子をかぶって来たのを、女中達がのぞいて見て、高麗蔵こまぞうのした「魔風まかぜ恋風」の東吾とうごに似た書生さんだと云って騒いだ。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あらがみ束髮そくはつ薔薇ばらはなかざりもなき湯上ゆあがりの單衣ゆかたでたち、素顏すがほうつくしきなつ富士ふじひたひつきのこりて、をぎ秋風あきかぜふけどほたるねきし塗柄ぬりゑ團扇うちは面影おもかげはなれぬ貴公子きこうしあり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ある時、須磨子が湯上りの身体からだに派手な沿衣ゆかた引掛ひつかけてとんとんと階段はしごだんあがつて自分の居間に入ると、ふと承塵なげしに懸つた額が目についた。
すると神楽殿の楽屋の軒先から池の上へ翼を伸してゐる百日紅の枝に、白つぽい浴着ゆかたが一枚ふはりと懸つてゐるのを発見した。
創作生活にて (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
裸体はだかの車夫が引ける武者絵の人力車に相乗あひのりせる裸体人はだかびと、青物市場いちばなどに見る如き土間に売品ばいひんを並べたる商家よ、中形ちゆうがた湯帷巾ゆかたを着たる天草をんなよ、あなさがな、悪きは数へさふらふまじ。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)