“貴公子”の読み方と例文
読み方割合
きこうし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のね、可愛かはいらしいのが、ときの、和蘭陀館オランダやかた貴公子きこうしですよ。御覽ごらん、——おちなさいよ。うしてならべたら、なんだか、ものりないから。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「何がそれみろだ。余裕は僕に返せと云わないという意味が君にはよく解らないと見えるね。気の毒なる貴公子きこうしよだ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その唇は二枚の小さき花弁かべんの如く、その鼻は美しき貴公子きこうしの鼻と異なる所なく必ず細き曲線に限られ、またその眼は二つの穴の真中に黒点を添へたるに過ぎず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)