新字:単衣
傷は出合ひがしらに胸を突かれたものの、刄物は幅の狹い匕首らしく、單衣の乳の下を一とゑぐり、なか/\物凄い手際です。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
單衣の袍の十二枚、毛氈の數亦同じ、 230
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
平次は乾いた手拭を持つて來て、ザツと八五郎の身體を拭かせ、お靜が待つて來た單衣と、手早く着換へをさせるのでした。
銭形平次捕物控:236 夕立の女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
額から胸から流れる汗にぐつしより濡れた單衣の氣持惡く肌に絡みついた體を崩し、親子が立際に置いて行つた大きな菓子折を目の前にして、つくづくと自分の年をとつた事を感じたのである。
貝殻追放:013 先生の忠告 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
銭形平次捕物控:032 路地の足跡 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「空色の單衣と青い帶を見ると、誰でも私と間違へます。薄暗い四疊半にゐるのを私と思ひ込んで、障子の外からひと思ひに突いたとしたら——」
銭形平次捕物控:125 青い帯 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
つづいて、氷峰が單衣一つのへこ帶、握りぎんたまで、ぬツと這つて來る。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
單衣の尻を端折つて、三文朝顏の世話を燒き乍ら、平次は氣のない返事をして居ります。素足に冷たい土の感觸、こいつはまた、滅法良い心持です。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
着物は寢卷の上に晝の單衣を重ね、帶がなくて細紐だけの姿は、多分夜中に誰かに呼び覺されて、寢卷の上へあわてて着物を引つ掛けたものでせう。
銭形平次捕物控:231 鍵の穴 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
手傷と言つても、單衣の上からで大したものでなく、この生活力の旺盛な男の元氣には、さしたる變りもありません。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「ところでもう一つ訊き度いが、主人は夜中に殺されたといふのに、寢卷姿ではなくて、ちやんと單衣を着て、角帶を締めて居るのはどういふわけだ」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:051 迷子札 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:051 迷子札 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:080 捕物仁義 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
人目を忍ぶ地味な單衣、帶だけが燃えるやうで、白い皮膚と、黒ずんだ血とに妖しい對照を見せて居ります。
銭形平次捕物控:263 死の踊り子 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
ポンと飛込んで來たのは、舞臺で本雨を浴びて來たやうな意氣な兄イ、濡れた單衣をクルクルと脱ぐと
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:185 歩く死骸 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
銭形平次捕物控:090 禁制の賦 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)