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二三人
近所の
人たちも、
二三人、
念のため、スヰツチを
切つて
置いて、
疊を
上げた、が
何事もない。
人々も
同意と
見えて
一時に
口を
閉たけれど、
其中の
二三人は
別に
此問に
氣を
止めず、ソフアに
身を
埋めてダラリと
手を
兩脇に
垂れ、
天井を
眺めて
眼を
細くして
居る
者もあれば
夏の
比、
染殿の
辰巳の
山の
木隱れに、
君達、
二三人ばかり
涼んだ
中に、
春家も
交つたが、
此の
人の
居たりける
傍よりしも、
三尺許りなる
烏蛇の
這出たりければ、
春家はまだ
氣がつかなかつた。