“いつぺん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一片43.5%
一遍30.4%
一篇8.7%
一変4.3%
一變4.3%
一辺4.3%
一返4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一片いつぺんのパンも一塊いつくわいにくもなきこのみじめな艇中ていちう見廻みまわして、ふたゝわたくしかほながめた姿すがたは、不憫ふびんともなんともはれなかつた。
「どうせ此處ここらの始末しまつもしねえでつたんだから、一遍いつぺん途中とちうけえつてなくつちやらねえのがだからおなことだよ」勘次かんじはおしなのぞこむやうにしていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
慇懃いんぎんで、なかがい。これから秋冷しうれい相催あひもよほすと、次第しだいに、燒芋やきいもひツこ、煙草たばこ割前わりまへにらつて喧嘩けんくわをするのだが、——一篇いつぺんにはあづかはう至當したうらしい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それに対して心持こゝろもちよく洗ひざらした料理屋橋本はしもと板塀いたべいのために突然とつぜん面目めんもく一変いつぺんさせた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
さらに二合目にごうめぎて海拔かいばつ五千七百尺ごせんしちひやくしやくのあたりへますと、はやし一變いつぺんしていままでの濶葉樹かつようじゆきゆうすくなくなり、常緑針葉樹じようりよくしんようじゆことにもみるいこみつが、ひのきにたとうひやしらべなど巨木きよぼくそびえてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
わたしの愛の一辺いつぺんわかる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
頭腦づなう比較的ひかくてき明暸めいれうで、理路りろ感情かんじやうむのか、また感情かんじやう理窟りくつわくるのか、何方どつちわからないが、かくもの筋道すぢみちけないと承知しようちしないし、また一返いつぺん筋道すぢみちくと
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)