“いっぺん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イッペン
語句割合
一遍41.5%
一片30.8%
一返10.8%
一篇6.2%
一変4.6%
一度3.1%
一偏1.5%
一端1.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あれは鹿の子です。あいつは臆病ですからとてもこっちへ来そうにありません。けれどもう一遍いっぺん叫んでみましょうか。」
雪渡り (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それも義理一遍いっぺんの挨拶ならだが、あの様子や、あの言葉つきや、あの顔つきから云うと、しんから感謝しているらしい。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小供は三歳位であった。隣家の者はおもがとおり一片いっぺんの世話であったから、夜になると、父親の車夫が帰らなくとも、
車屋の小供 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ひそかに決する処あり、いざさらば地方に遊説して、国民の元気をおこさんとて、坂崎氏には一片いっぺんの謝状をのこして
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
ことによると生涯に一返いっぺんも来ないですんでしまうかも分らないわ。だからあたしなんかの眼はまあ盲目めくら同然よ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その時の私がもしこの驚きをもって、もう一返いっぺん彼の口にした覚悟の内容を公平に見廻みまわしたらば、まだよかったかも知れません。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その点から言って、この一篇いっぺんは、全体として、やはり次郎の生活記録であるにはちがいないのである。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
が、われ等の受持にかかる霊的通信は、恐らく彼等にとりて一篇いっぺんの夢物語に過ぎないであろう。
そこで余は思った、熊一変いっぺんせばアイヌに到らん、アイヌ一変せば日本人シャモに到らん、日本人シャモ一変せば悪魔に到らん。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「ふーむ、それは興味ぶかいお話ですね。しかしどういうわけで、そんなに態度が一変いっぺんしたのでしょうか」
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あまり遣り方が残酷でもあり不潔ですから「そんな不潔な事をせずに手を一度いっぺん洗ったらどうか」と私がいいましたら「そんな気の弱いことで坊主の役目が勤まるものか」とこういう挨拶。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「大将、おいら一度いっぺん往ってみようか」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
維新の際に一身の進退と私は小士族の家にうまれ、その頃は封建時代の事で日本国中いずれも同様、藩の制度は守旧しゅきゅう一偏いっぺんの有様で、藩士銘々めいめいの分限がチャントまって、上士じょうしは上士、下士かしは下士と、箱に入れたようにして、そのあいだに少しも融通ゆうづうがあられない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
大塚信造と言った時のことから話しますが、父は大塚剛蔵ごうぞうと言って御存知でも御座ございますか、東京控訴院の判事としては一寸ちょっと世間でも名の知れた男で、剛蔵の名の示すごとく、剛直一端いっぺんの人物。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)