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一篇
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いつぺん
恐る
可き
哉、
己より
三歳弱い
山田が
既に
竪琴草子なる
一篇を
綴つて、
疾から
価を
待つ者であつたのは
奈何です、
然云ふ物を書いたから
慇懃で、なかが
可い。これから
秋冷相催すと、
次第に、
燒芋の
買ひツこ、
煙草の
割前で
睨み
合つて
喧嘩をするのだが、——
此の
一篇には
預る
方が
至當らしい。
這麼風で
中坂に
社を
設けてからは、
石橋と
私とが
一切を
処理して、
山田は
毎号一篇の小説を書くばかりで、前のやうに社に
対して
密なる
関係を持たなかつた、と
云ふのが
毎号一篇を
載せる小説雑誌を出したいと
云ふ話、そこで
新著百種と
名けて、
私が
初篇を書く事に
成つて、二十二年の二月に
色懺悔を出したのです、
私が
春のや
君に
面会したのも、
篁村君を
識つたのも