“峻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けわ50.0%
けは14.3%
たかし10.7%
さか7.1%
さかし3.6%
さが3.6%
しゅん3.6%
そそ3.6%
ふか3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なかあたりから谷が迫って景色がけわしく荒涼な鬼気を帯びて来る。それが上高地へ来ると実に突然になごやかな平和な景色に変化する。
雨の上高地 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
佐渡には金北山といふ山がある筈なのにどうしたものかこんな山へ來てこれ程大きなけはしい山はまだ見たことが無いといつて驚いて居る男である。
炭焼のむすめ (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
平場ひらばの一番後ろで、たかしが左の端、中へ姉が来て、信子が右の端、後ろへ兄が座った。ちょうど幕間まくあいで、階下は七分通り詰まっていた。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
麓の里のやや黒み行く夕暮に、安房なる鋸山のさかしきあたり、「きんだい」といへるが咲きて立ちたる、またなく気高し。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
打見うちみれば面目めんもくさはやかに、稍傲ややおごれる色有れどさかしくはあらず、しかも今陶々然として酒興を発し、春の日長の野辺のべ辿たどるらんやうに、西筋の横町をこの大路にきたらんとす。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
たけしい、さがしい、冷たい、氷の欠片かけのような厳しい光の眼であった。しかし美しいことは美しい、——悪の美しさの眼であった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まわりの円味がかった平凡な地形に対して天柱山と吐月峰は突兀とっこつとして秀でている。けれどもちくとかしゅんとかいうそばだちようではなく、どこまでもがたの柔かい線である。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
囲まれた本丸とはいえ、そそり立つ山の上なので、風のない日は少ないといってよい。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれ其地そこに名づけて、懸木さがりきといひしを、今は相樂さがらかといふ。また弟國おとくにに到りし時に、遂にふかき淵に墮ちて、死にき。かれ其地そこに名づけて、墮國おちくにといひしを、今は弟國といふなり。