“けわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.7%
38.4%
5.0%
化粧2.5%
蹴分0.7%
0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳥越山とりこえやま、高時山、横山岳などのふもとを縫って、道もようやくけわしくなる頃、日は没して、湖北の水は遠く左手のほうに暮れている。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たもとを振り切って行こうとする時に、金蔵のかおすごいほどけわしくなっていたのに、お豊はぞっとして声を立てようとしたくらいでしたが
しかし顔だちから云っても、表情から見ても、どこかにけわしいそうを具えていて、むやみに近寄れないと云った風のせまった心持をひとに与えた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
年増まじりにあくどく化粧けわったわかい女が六七人、汗まみれになって、ついそこへ、並木を来かかる。……
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と何気なく云い棄てて露っぽい小径の笹の間を蹴分けわけ蹴分け急いで行った。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かまのやうな新月しんげつ物凄ものすご下界げかいてらしてたが、勿論もちろんみち案内しるべとなるほどあかるくはない、くわふるに此邊このへんみちいよ/\けわしく、とがつた岩角いはかどわだかま無限むげん行方ゆくてよこたはつてるので
わたくし二人ふたり案内あんないしたがつて、鐵門てつもんくゞつたが、はじめ十ばかりのあひだかゞめてあゆほどで、ひろくなつたとおもふと、まへには、いわきざんでまうけられたけわしい階段かいだんがある、その階段かいだんつくすと
日の暮はけわしいがけの上に、寂しそうな彼を見出した。森はその崖の下にも、針葉樹のほこを並べていた。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)