“けはし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嶮80.0%
険20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
○かくて中(なか)の平(たひら)村(九軒)天酒(あまさけ)村(二軒)大赤沢(おほあかさは)村(九軒)を歴(へ)たる道みな嶮(けはし)き山行(やまぶみ)して此日申(さる)の下刻(さがり)やう/\小赤沢にいたりぬ。こゝには人家廿八軒ありて、秋山の中二ヶ所の大村也。
ト車(くるま)は、急(きふ)に石磈路(いしころみち)に、がた/\と音(おと)を立(た)てて山(やま)の裾(すそ)へ曳込(ひきこ)んだが、ものの半町(はんちやう)もなしに、直(す)ぐ上(あが)り口(ぐち)の、草深(くさぶか)い嶮(けはし)い坂(さか)に成(な)るのであるから、默(だま)つて居(ゐ)ても其處(そこ)で留(と)まつた。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
貫一はこの絵を看(み)る如き清穏(せいおん)の風景に値(あ)ひて、かの途上(みちすがら)険(けはし)き巌(いはほ)と峻(さかし)き流との為に幾度(いくたび)か魂(こん)飛び肉銷(にくしよう)して、理(をさ)むる方(かた)無く掻乱(かきみだ)されし胸の内は靄然(あいぜん)として頓(とみ)に和(やはら)ぎ、恍然(こうぜん)として総(すべ)て忘れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)