“曳込”の読み方と例文
読み方割合
ひきこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頼んであった料理屋の板前が、車に今日の料理を積せて曳込ひきこんで来た頃には、羽織袴はおりはかまの世話焼が、そっち行き此方こっちいきして、家中が急に色めき立って来た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
貞之進は門内へ曳込ひきこもうとする車を両三歩手前で下り、賃銭を払ったついでに会費と名刺とを取り出して一緒につかみ、それを玄関口に立って居た幹事に渡して
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
ものの半時ばかりつと、同じ腕車くるまは、とおりの方からいきおいよく茶畑を走って、草深の町へ曳込ひきこんで来た。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)