“曳舟通”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきふねどおり44.4%
ひきふねどお33.3%
ひきふねどほ11.1%
ひきふねどほり11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女はしばらくして曳舟通ひきふねどおりへ引移ったが、いずれにしても山の手から下町へ出て隅田の水を渡って逢いに行くのがいかにも詩のように美しく思われた。
向島 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一度ぐらいはそういうところも妻に見せておこうと思って、寺まで曳舟通ひきふねどおりを歩いていってみることにした。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
このへんはもう春とつてもきたな鱗葺こけらぶき屋根やねの上にあかるく日があたつてゐるとふばかりで、沈滞ちんたいした堀割ほりわりの水がうらゝかな青空の色をのまゝに映してゐる曳舟通ひきふねどほり。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
堀割ほりわりづたひに曳舟通ひきふねどほりからぐさま左へまがると、土地のものでなければ行先ゆくさきわからないほど迂囘うくわいした小径こみち三囲稲荷みめぐりいなり横手よこてめぐつて土手どてへと通じてゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)