“ひきふねどお”の漢字の書き方と例文
語句割合
曳舟通100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一度ぐらいはそういうところも妻に見せておこうと思って、寺まで曳舟通ひきふねどおりを歩いていってみることにした。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
この辺はもう春といっても汚い鱗葺こけらぶきの屋根の上にあかるく日があたっているというばかりで、沈滞した堀割ほりわりの水がうららかな青空の色をそのままに映している曳舟通ひきふねどおり。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私の意識上の人生は、突然私の父があらわれて、そんな佗住わびずまいをしていた母や私を迎えることになった、曳舟通ひきふねどおりに近い、或る狭い路地の奥の、新しい家のなかでようやく始っている。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
が、まんまと曳舟通ひきふねどおりまで私達が出てしまうと、急に私は機嫌きげんをなおした。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)