“行先”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆくさき61.8%
ゆきさき20.6%
ゆくて11.8%
いくさき2.9%
ゆきさ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小六ころく宗助そうすけきるすこまへに、何處どこかへつて、今朝けさかほさへせなかつた。宗助そうすけ御米およねむかつて別段べつだんその行先ゆくさきたゞしもしなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
中には娘の死んでからの行先ゆきさきを聞いたものがある。巫女は死んでからは、の人も平等に同じい幸福を受けるものだ。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
鶏の鳴きかわす声が遠近あちこちの霧の中に聞える。坂を越して野辺山が原まで出てまいりますと、霧の群は行先ゆくてに集って、足元も仄暗ほのぐらい。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「どつちへ行くんですか。」と、聞きますと、子供はその行先いくさきを申しましたので、おぢいさんはそこへ子供をおんぶして行き、それから又ほかのところを見てあるきました。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
また神奈川在とのみにて行先ゆきさきも判然ときいて置かなかったし、何うしていゝかとうろ/\して居りますと、新橋発十時の汽車はまた汽笛をならして通り越して仕舞う。