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ゆくさき
ふりがな文庫
“
行先
(
ゆくさき
)” の例文
小六
(
ころく
)
は
宗助
(
そうすけ
)
が
起
(
お
)
きる
少
(
すこ
)
し
前
(
まへ
)
に、
何處
(
どこ
)
かへ
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つて、
今朝
(
けさ
)
は
顏
(
かほ
)
さへ
見
(
み
)
せなかつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
御米
(
およね
)
に
向
(
むか
)
つて
別段
(
べつだん
)
其
(
その
)
行先
(
ゆくさき
)
を
聞
(
き
)
き
糺
(
たゞ
)
しもしなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
市中の電車に乗って
行先
(
ゆくさき
)
を急ごうというには
乗換場
(
のりかえば
)
を
過
(
すぎ
)
る
度
(
たび
)
ごとに
見得
(
みえ
)
も
体裁
(
ていさい
)
もかまわず人を突き
退
(
の
)
け
我武者羅
(
がむしゃら
)
に飛乗る
蛮勇
(
ばんゆう
)
がなくてはならぬ。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ソレカラ考えて見ると、今日の書生にしても余り学問を勉強すると同時に始終我身の
行先
(
ゆくさき
)
ばかり考えて居るようでは、修業は出来なかろうと思う。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
行先
(
ゆくさき
)
が
案
(
あん
)
じられて、
我
(
われ
)
にもあらずしよんぼりと、
門
(
と
)
に
彳
(
たゝず
)
んで
入
(
はひ
)
りもやらぬ、
媚
(
なまめか
)
しい
最明寺殿
(
さいみやうじどの
)
を、
手
(
て
)
を
採
(
と
)
つて
招
(
せう
)
じ
入
(
い
)
れて、
舁据
(
かきす
)
ゑるやうに
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
前
(
まへ
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
行先
(
ゆくさき
)
は
何處
(
いづこ
)
、
父
(
ちゝ
)
が
涕
(
なみだ
)
は一
夜
(
よ
)
の
騷
(
さわ
)
ぎに
夢
(
ゆめ
)
とやならん、
持
(
も
)
つまじきは
放蕩息子
(
のらむすこ
)
、
持
(
も
)
つまじきは
放蕩
(
のら
)
を
仕立
(
したつ
)
る
繼母
(
まゝはゝ
)
ぞかし。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
聞て然らば
何
(
いづ
)
れへ參りしや其
行先
(
ゆくさき
)
を御存じなるか重四郎
然
(
され
)
ば
今晩
(
こんばん
)
は
元栗橋
(
もとくりばし
)
の
燒場隱亡
(
やきばをんばう
)
彌十の處に於て長半が出來ると云により
夕
(
ゆふ
)
申刻頃
(
なゝつごろ
)
から行べしと
拙者
(
それがし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其人
(
そのひと
)
今
(
いま
)
や
新聞
(
しんぶん
)
の
題目
(
だいもく
)
となつて
世人
(
よのひと
)
の
審
(
いぶか
)
る
旅路
(
たびぢ
)
に
志
(
こゝろざ
)
したといふ、
其
(
その
)
行先
(
ゆくさき
)
は
何地
(
いづこ
)
であらう、
其
(
その
)
目的
(
もくてき
)
は
何
(
なん
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それにしては
此処
(
こゝ
)
らにいなさらねばならぬ筈だに……こりゃ神奈川まで行って待っていなさるんだろうか、私が
行先
(
ゆくさき
)
も知らないことは能く呑込んでいるんだから
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その名をぬひと呼ぶと聞きて、
行先
(
ゆくさき
)
人の妻となりてたちぬひの業に家を修むる
吉瑞
(
きちずゐ
)
ありと打ち笑ひぬ。時も移りて我は老婆と少娘との
紙帳
(
しちやう
)
に入りて
一宵
(
いつせう
)
を過ごしぬ。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
幾百台の荷馬車が並んで、
懸声
(
かけごえ
)
いさましく、上熊本駅と熊本駅を
行先
(
ゆくさき
)
にして、往復が絶えなかった。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
そして爆発的に泣き出した。その次の度からは早く出ようとすると、「あなた今からどこへ行くのです」と云って、無理に留めようとする。
行先
(
ゆくさき
)
を言えば嘘だと云う。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
まづ
責任
(
せきにん
)
を
閑過
(
かんくわ
)
する一
例
(
れい
)
を
申
(
まを
)
しませう。それは
重
(
おも
)
に
外出
(
ぐわいしゆつ
)
などに
就
(
つい
)
て
起
(
おこ
)
る
事柄
(
ことがら
)
で、
塾生
(
じゆくせい
)
の
身
(
み
)
は
無論
(
むろん
)
私
(
わたくし
)
が
其
(
そ
)
の
親
(
おや
)
から
責任
(
せきにん
)
を
持
(
もつ
)
て
預
(
あづか
)
つてゐるのですから
出入
(
ではいり
)
に
就
(
つき
)
ては
行先
(
ゆくさき
)
を
明瞭
(
めいれう
)
にして
置
(
お
)
きます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
此処
(
ここ
)
では皆の人が
唯
(
た
)
だ自分の
行先
(
ゆくさき
)
ばかりを考へる。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
此処
(
ここ
)
では皆の人が
唯
(
た
)
だ自分の
行先
(
ゆくさき
)
許
(
ばか
)
りを考へる。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
神楽坂
(
かぐらざか
)
を
下
(
お
)
りて、
当
(
あて
)
もなく、
眼
(
め
)
に
付
(
つ
)
いた第一の電車に
乗
(
の
)
つた。車掌に
行先
(
ゆくさき
)
を問はれたとき、
口
(
くち
)
から
出任
(
でまか
)
せの返事をした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
堀割
(
ほりわり
)
づたいに
曳舟通
(
ひきふねどおり
)
から
直
(
す
)
ぐさま左へまがると、土地のものでなければ
行先
(
ゆくさき
)
の分らないほど
迂回
(
うかい
)
した
小径
(
こみち
)
が
三囲稲荷
(
みめぐりいなり
)
の横手を
巡
(
めぐ
)
って土手へと通じている。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
絶頂
(
ぜつちやう
)
に
仲
(
なか
)
の
惡
(
わる
)
かつた
時
(
とき
)
は、
二人
(
ふたり
)
ともに
背
(
そむ
)
き
背
(
そむ
)
きで、
外
(
そと
)
へいらつしやるに
何處
(
どこ
)
へと
問
(
と
)
ふた
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
ければ、
行先
(
ゆくさき
)
をいひ
置
(
お
)
かれる
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
い、お
留守
(
るす
)
に
他處
(
よそ
)
からお
使
(
つか
)
ひが
來
(
く
)
れば
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
右の手に持
顯
(
あらは
)
れ出たる一人の
女
(
をんな
)
行先
(
ゆくさき
)
に
立塞
(
たちふさが
)
り
汝
(
おのれ
)
大惡
(
だいあく
)
無道
(
ぶだう
)
の吾助大恩有る主人と知りながら
兄君
(
あにぎみ
)
を
害
(
がい
)
し岡山を立
退
(
のき
)
し事定めて覺え有べし今爰に
逢
(
あひ
)
しは天の
賜
(
たま
)
もの
疾々
(
とく/\
)
勝負
(
しようぶ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
頓と其の
行先
(
ゆくさき
)
が分りませんので、梨売重助も心配して、お手紙一本お寄越しなさらない訳はないのだが、旅で煩って
在
(
いら
)
っしゃるのではないかと案じられるから、
売卜者
(
うらないしゃ
)
に
占
(
み
)
て貰ったり
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがて、そなたの
行先
(
ゆくさき
)
は
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
堀割
(
ほりわり
)
づたひに
曳舟通
(
ひきふねどほり
)
から
直
(
す
)
ぐさま左へまがると、土地のものでなければ
行先
(
ゆくさき
)
の
分
(
わか
)
らないほど
迂囘
(
うくわい
)
した
小径
(
こみち
)
が
三囲稲荷
(
みめぐりいなり
)
の
横手
(
よこて
)
を
巡
(
めぐ
)
つて
土手
(
どて
)
へと通じてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
Kの
行先
(
ゆくさき
)
を心配するこの姉に安心を与えようという好意は無論含まれていましたが、私を
軽蔑
(
けいべつ
)
したとより
外
(
ほか
)
に取りようのない彼の実家や
養家
(
ようか
)
に対する意地もあったのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ふいと
立
(
た
)
つて
家
(
うち
)
をば
御出
(
おで
)
あそばさるゝ、
行先
(
ゆくさき
)
は
何
(
いづ
)
れも
御神燈
(
ごじんとう
)
の
下
(
した
)
をくゞるか、
待合
(
まちあひ
)
の
小座敷
(
こざしき
)
、それをば
口惜
(
くちを
)
しがつて
私
(
わたし
)
は
恨
(
うら
)
みぬきましたけれど
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
を
言
(
い
)
へば、
私
(
わたし
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
の
取
(
と
)
りやうが
惡
(
わる
)
くて
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
上げ此程申上ました通り十兵衞の後家お安へは妹娘は
或屋敷
(
あるやしき
)
へ奉公に
上
(
あげ
)
たと
僞
(
いつは
)
り私しと長庵
兩人
(
ふたり
)
で丁字屋へ三十兩に
賣代
(
うりしろ
)
なし其内私しは長庵より
僅
(
わづ
)
かに五兩
貰
(
もら
)
ひ候處お安も其後妹娘の
行先
(
ゆくさき
)
が
變
(
へん
)
だと思ふたやら兩人の娘に
逢
(
あは
)
して
呉
(
く
)
れ/\と長庵に
晝夜
(
ちうや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
狭
(
せま
)
く暗い
路地裏
(
ろぢうら
)
のいやに
奥深
(
おくふか
)
く
行先
(
ゆくさき
)
知れず
曲込
(
まがりこ
)
んでゐるのを不思議さうに
覗込
(
のぞきこ
)
むばかりであつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
自分は
薄志弱行
(
はくしじゃっこう
)
で到底
行先
(
ゆくさき
)
の望みがないから、自殺するというだけなのです。それから今まで私に世話になった礼が、ごくあっさりとした文句でその
後
(
あと
)
に付け加えてありました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不意に彼と彼の家族が、今までとはまるで別物のように私の眼に映ったのです。私は驚きました。そうしてこのままにしておいては、自分の
行先
(
ゆくさき
)
がどうなるか分らないという気になりました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
行先
(
ゆくさき
)
はさぞや
門出
(
かどで
)
の初ざくら
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
門
(
もん
)
を
出
(
で
)
て
行先
(
ゆくさき
)
まどふ雪見かな
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
“行先”で始まる語句
行先々