“売卜者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うらないしゃ40.9%
ばいぼくしゃ36.4%
うらない11.4%
えきしゃ6.8%
はっけみ2.3%
うらなひしや2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある時、母は私の行く末を心配するあまりに、善教寺という寺のそばに店を出していた怪しい売卜者うらないしゃのところへ私を連れて参りました。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
いえ/\二君につかえんなどと申すは立派な武士の申すことで、どうか斯うやって店借たながりを致して、売卜者ばいぼくしゃで生涯朽果くちはてるも心外なことで
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その時の籤はそんなに悪くもなかったが、三十過ぎるまでは、心に苦労が絶えないというようなことは、一、二度売卜者うらないにも聞かされた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すこし行くと、カステラや羊羹ようかん店頭みせさきに並べて売る菓子屋の夫婦が居る。千曲川の方から投網とあみをさげてよく帰って来る髪の長い売卜者えきしゃが居る。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
表通りに幸斎という売卜者はっけみが小さい店を開いていて、白雲堂の看板をかけている。夜蕎麦売りの仁助はその白雲堂にたのんで、橙に龍の字をかいて貰ったのであると、彼女は説明した。
半七捕物帳:56 河豚太鼓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
売卜者うらなひしや身の上を知らずといふが、人の運命ばかり世話を焼いて自分の鼻のツイ鼻のさきの事が解らんのは天下に売卜者と小説家だらう。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)