売卜者えきしゃ)” の例文
すこし行くと、カステラや羊羹ようかん店頭みせさきに並べて売る菓子屋の夫婦が居る。千曲川の方から投網とあみをさげてよく帰って来る髪の長い売卜者えきしゃが居る。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこには売卜者えきしゃや物売る人達が店を並べていた。その人びとの間に交って一人の道人が薬を売り符水ふすいを施していた。道人は許宣の顔を見ると驚いて叫んだ。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「いいえ土橋に出ている売卜者えきしゃですよ」
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)