トップ
>
売卜者
>
うらないしゃ
ふりがな文庫
“
売卜者
(
うらないしゃ
)” の例文
ある時、母は私の行く末を心配するあまりに、善教寺という寺の
傍
(
そば
)
に店を出していた怪しい
売卜者
(
うらないしゃ
)
のところへ私を連れて参りました。
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
しかもそれは別にこれという目的なしにいただいたのだから彼は平生でも、優に
売卜者
(
うらないしゃ
)
の
顧客
(
とくい
)
になる資格を充分具えていたに違ない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
用人の五左衛門も心配して、あくる日は市ヶ谷で有名な
売卜者
(
うらないしゃ
)
をたずねた。売卜者は屋敷の西にある大きい椿の根を掘ってみろと教えた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お蔦は
腑
(
ふ
)
に落ちない容子をして、
売卜者
(
うらないしゃ
)
は、
年紀
(
とし
)
を聞きゃしないかい。ええ、聞きましたから私の年を謂ってやりました。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
喜「お前さまは
売卜者
(
うらないしゃ
)
か、どうもえらいもんだね、
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
だから負けるか負けねえかを
占
(
み
)
て置いて掛るから大丈夫だ、誠に有難うござえました」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
後に思えば、それは、つまらぬ
売卜者
(
うらないしゃ
)
であったらしい。彼の母は、そういうことに、特別な信念を持つ人であった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしまたもや横町があって、そこの入り口へまで差しかかった時、一人の武士と
売卜者
(
うらないしゃ
)
とが、駕籠の行く手を
遮
(
さえぎ
)
るようにして、その入り口から走り出た。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
戸惑いをした
売卜者
(
うらないしゃ
)
のようなよまいごとを喋るのが
癇
(
かん
)
に触ってたまらん、あれをここへ連れて来て、眼の前で締め殺してくれ、こうして寝ていても、あいつの姿が目ざわりになり
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして鉄道線路のガードを前にして、場末の町へでも行ったような飲食店の旗ばかりが目につく
横町
(
よこちょう
)
へ曲り、貸事務所の
硝子窓
(
ガラスまど
)
に
周易
(
しゅうえき
)
判断
金亀堂
(
きんきどう
)
という金文字を掲げた
売卜者
(
うらないしゃ
)
をたずねた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
売卜者
(
うらないしゃ
)
のような人を馬鹿にした、……それでいて
媚
(
こ
)
びようとするような顔をしている。角ばった、酒に酔ってでもいるような赤い顔で、大きい
卑
(
いや
)
しい口に、赤い疎らな鬚をはやしている。
遠野へ
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
肉の少ない
細面
(
ほそおもて
)
の
腮
(
あご
)
の下に、
売卜者
(
うらないしゃ
)
見たような
疎髯
(
そぜん
)
を垂らしたその姿と、叔父のこの言葉とは、彼にとってほとんど同じものを意味していた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると
本所
(
ほんじょ
)
北割下水
(
きたわりげすい
)
に、
座光寺源三郎
(
ざこうじげんざぶろう
)
と云う旗下が有って、これが
女太夫
(
おんなだゆう
)
のおこよと云う者を
見初
(
みそ
)
め、浅草
竜泉寺
(
りゅうせんじ
)
前の
梶井主膳
(
かじいしゅぜん
)
と云う
売卜者
(
うらないしゃ
)
を頼み
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おおさ。旅の
売卜者
(
うらないしゃ
)
について、お宅へ顔を見せた
唖
(
おし
)
の
童僕
(
ちご
)
だよ。ジツの名、
黒旋風
(
こくせんぷう
)
の
李逵
(
りき
)
だ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
売卜者
(
うらないしゃ
)
になっても
見料
(
けんりょう
)
五十文は確かに取れる」と、豊吉はいつもの癖でそり返って笑った。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そして二十五六のころ、
八百屋
(
やおや
)
を始めたが、まもなくよして、
売卜者
(
うらないしゃ
)
になった。かつ今は
行
(
ゆ
)
き
方
(
がた
)
も知れない。そして見ると河田翁その人の
脈胳
(
みゃくらく
)
には、『放浪』の血が流れているのではないか。
二老人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
アパートメントの一室を店にしている新時代の
売卜者
(
うらないしゃ
)
は年の頃四十前後、
口髭
(
くちひげ
)
を刈り洋服を着、
鼈甲
(
べっこう
)
のロイド眼鏡をかけ、デスクに
凭
(
もた
)
れて客に応対する様子は見たところ医者か弁護士と変りはない。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
なまじい
売卜者
(
うらないしゃ
)
の言葉などに動かされて、恥を
掻
(
か
)
いてはつまらないという後悔も
交
(
まじ
)
った。すると四日目の午前になって、突然田口から電話口へ呼び出された。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頓と其の
行先
(
ゆくさき
)
が分りませんので、梨売重助も心配して、お手紙一本お寄越しなさらない訳はないのだが、旅で煩って
在
(
いら
)
っしゃるのではないかと案じられるから、
売卜者
(
うらないしゃ
)
に
占
(
み
)
て貰ったり
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この不決断を
逃
(
のが
)
れなければという口実の
下
(
もと
)
に、彼は
暗
(
あん
)
に自分の
物数奇
(
ものずき
)
に
媚
(
こ
)
びようとした。そうして自分の未来を
売卜者
(
うらないしゃ
)
の
八卦
(
はっけ
)
に訴えて判断して見る気になった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのお宅番が諏訪部三十郎様にお前の
親父様
(
おとっさん
)
の深見深左衞門様だ、すると梶井主膳と云う竜泉寺前の
売卜者
(
うらないしゃ
)
がねえ、諏訪部様が病気で
退
(
ひ
)
いて居て、親父様が一人で宅番して居るを附込んで
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
種々
(
いろ/\
)
心配して
神鬮
(
みくじ
)
を取ったり
売卜者
(
うらないしゃ
)
に見て貰いなどしたが分らない、殊に借財方から責められて、
迚
(
とて
)
も身代が持切れませんから、身代をしまいまして、
七歳
(
なゝつ
)
になるおえいを十文字に
背負
(
しょ
)
いまして
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蓮「裏に居る
売卜者
(
うらないしゃ
)
の浪人の娘は
好
(
い
)
い器量だね」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
売
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
卜
漢検準1級
部首:⼘
2画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“売卜”で始まる語句
売卜
売卜先生
売卜乾坤堂