トップ
>
売卜者
>
ばいぼくしゃ
ふりがな文庫
“
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)” の例文
いえ/\二君に
仕
(
つか
)
えんなどと申すは立派な武士の申すことで、どうか斯うやって
店借
(
たながり
)
を致して、
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
で生涯
朽果
(
くちはて
)
るも心外なことで
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「はーて、こいつは
益〻
(
ますます
)
いぶかしい。下谷の
溝店
(
どぶだな
)
で
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
というと、おれにも心当りがあるんだが、そしておまはんは、何という者だね」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
保が覚えず、「
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
のようじゃありませんか」というと、枳園は面白げに笑った。それからは湯島と本所との間に、
往来
(
ゆきき
)
が絶えなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そこで同じように
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
を見つけて、また三本ばかりふところにおまじないを施させておくと、さらに駆けつけさせたところは問題の深川
八幡
(
はちまん
)
で
右門捕物帖:06 なぞの八卦見
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
往来の片側に大道
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
が、貧しい店を出していたが、そこまで行くと儒者ふうの老人は、ほんのわずかに顔を向けた。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
下手な
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
めくけど、一つ僕がこじつけて見せよう。どちらかと云うと都会よりは田舎に多く見かけるタイプだ。まるきり田舎者にした方がいいな。
メフィスト
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
ふと彼女は露路の入口で
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
を見つけると、その前で立ち停った。昨夜自分を奪ったものは、甲谷であろうか参木であろうかと、また彼女は迷い始めた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
八時をすぐれば街はいよいよ熱閙の
巷
(
ちまた
)
となりて、田舎者を待って
偽物
(
いかもの
)
を売る
古道具商
(
ふるどうぐや
)
、女客を招いて恋を占う
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
、
小児
(
こども
)
を呼ぶ
金魚商
(
きんぎょや
)
、労働者を迎うる
氷水商
(
こおりみずや
)
銀座の朝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一家族中において一人の死者あれば、そのたびごとに
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
に方位をうらなわせ、吉方を聞き、その方角に向かって墓地を定むるから、一家の墓地が四方に散在しておる。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
その日は風の暖かな佳い日であったから
参詣人
(
さんけいにん
)
が多かった。許宣の一行は、その参詣人に交って臥仏寺の前に往き、それから引返して門の外へ出た。そこには
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
や物売る人達が店を並べていた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
の旅から帰って来たばかりであった。
曲亭馬琴
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「——一人は総髪、一人は合羽、遊び人ていの男と
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
風のふたり連れじゃ。もしやこの
家
(
うち
)
へ逃げ込んで来はしないか? そんな人間が」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
喜「お前さまは
売卜者
(
うらないしゃ
)
か、どうもえらいもんだね、
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
だから負けるか負けねえかを
占
(
み
)
て置いて掛るから大丈夫だ、誠に有難うござえました」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
煙管
(
きせる
)
を
喰
(
くわ
)
えて人の顔を見ている
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
やらが、通りすぎる秋蘭の顔を振り返って眺めていた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
源氏の将軍が預言者であったか、
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
であったか、わたしは知らない。
春の修善寺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
のいったかっきり丑満どきがやって来ると、実もって奇怪なことには、急に気違いのごとくに狂いだし、なにやら声高にわめきながら、やにわに往来へ駆けだしたんだそうで、のみならず
右門捕物帖:06 なぞの八卦見
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ある家の主人が、夢に足に毛の生じたるを見て、
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
に占わしめたれば、『必ず増給の
沙汰
(
さた
)
あるべし』といい、その家僕も足に毛の生じたる夢を見て占わしめたるに、『長病なるべし』といえり。
迷信解
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
井戸ではなくて間道だったのさ。こいつ面白いと思ったので梯子を伝わって下りたものさ。すると底に女がいた。それから五人の男がいた。六部と
破落戸
(
ごろつき
)
と
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
と、
武士
(
さむらい
)
と坊主とがいたってわけだ。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そうですか。さすがどこか、街の
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
などとは、どこかご風采も異なるものがあると思いました。ところで、私の運勢をみていただけましょうか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その鳥籠の街は深く鳥のトンネルを造って曲っていた。街角から右へ
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
の街が並んでいた。
春服
(
しゅんぷく
)
を着た支那人の群れは、道いっぱいに流れながら、花を持って象牙の鳥籠の中を
潜
(
くぐ
)
っていった。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
ははあ、それで馬春堂先生、気の腐るまま宿を出て、
池辺
(
ちへん
)
に
亀首
(
かめくび
)
を曲げながら、
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
の身の上知らず、来ぬ待ち人を待ちあぐねているものとみえます。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どこの風来とも知れぬ、あんな
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
ずれの言を、そうまで、お気に病むことはございますまい。
諺
(
ことわざ
)
にも『易者の身の上知らず』というではございませんか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よく
中
(
あ
)
たる、実によく
中
(
あ
)
たる。そういう噂で、ひどく
流行
(
はや
)
りだした
乾坤堂
(
けんこんどう
)
という
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こういわれてみると、人間の弱さ、
盧俊儀
(
ろしゅんぎ
)
も何か
密
(
ひそ
)
かな
危惧
(
きぐ
)
を抱かずにいられなかった。わけて彼には、人間を観る目がある。その目で呉用を観れば、決してただの
凡庸
(
ぼんよう
)
な
売卜者
(
ばいぼくしゃ
)
ではない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
売
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
卜
漢検準1級
部首:⼘
2画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“売卜”で始まる語句
売卜
売卜先生
売卜乾坤堂