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兄君
読み方 | 割合 |
あにぎみ | 66.7% |
にいさん | 16.7% |
あにきみ | 16.7% |
寐屋の
燈火またヽく
影もあはれ
淋しや
丁字頭の、
花と
呼ばれし
香山家の
姫、
今の
子爵と
同じ
腹に、
双玉の
稱へは
美色に
勝を
占めしが、さりとて
兄君に
席を
越えず
「おとうさま、川島の
兄君が」と叫びつつ、花をさげたる十ばかりの
男児武男がそばに走り寄りぬ。
一身つかれて
痩せに
痩せし
姿、
見る
兄君の
心やみに
成りて、
醫藥の
手當に
手づからの
奔走いよいよ
悲しく、
果は
物言はず
泣のみ
成りしが、
八月の
壽命此子にあれば、
月足らずの、
聲いさましく
揚げて