“ゆくさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
行先80.8%
前途11.5%
往先3.8%
行方3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
市中の電車に乗って行先ゆくさきを急ごうというには乗換場のりかえばすぎたびごとに見得みえ体裁ていさいもかまわず人を突き退我武者羅がむしゃらに飛乗る蛮勇ばんゆうがなくてはならぬ。
前途ゆくさき期待まちもうけのある身に取っては物思う暇のないほど嬉しいことはない、一月も二月も夢のように過ぎて、南郊の春は早く梅もうぐいすもともに老いた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
当今政治の欠乏を歴詆れきていして、かくの如くにては往先ゆくさき三、五年の無事も保し難しというて、鞠吏きくりを激怒せしめ、すなわち曰く、「ここを以て死罪を得るといえども悔ざるなり」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
その初めは釈迦しゃか天竺てんじく王の若殿に候処、若き時から感心のつよき人にて、老人を見ればわが身も往先ゆくさきは老人に成るかと悲しみ、死人を見ては吾身も往先は死のうかと悲しみ
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
けれど敏子の行方ゆくさきは誰も知らなかった。あんまり深入りしてたずねるのも気がひけたので、彼は敏子が帰るまで毎日訪ねて来て様子を見ることにした。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)