“御出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おいで49.4%
おい36.1%
おで7.2%
おんいで2.4%
おだ1.2%
おだし1.2%
おんい1.2%
ぎょしゅつ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうも、そうさんもあんまり近頃ちかごろ御出おいででないし、わたし御無沙汰ごぶさたばかりしてゐるのでね、つい御前おまへこと御話おはなしをするわけにもかなかつたんだよ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こがらしの吹く町のかどには、青銅からかねのお前にまたがつた、やはり青銅からかねの宮殿下が、寒むさうな往来わうらい老若男女らうにやくなんによを、揚々と見おろして御出おいでになる。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
『一寸伺ひますが、』と紳士は至極丁寧な調子で、『瀬川さんの御宿は是方様こちらさまでせうか——小学校へ御出おでなさる瀬川さんの御宿は。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
さて景一光広卿をかいして御当家御父子とも御心安く相成りおり候。田辺攻たなべぜめの時、関東に御出おんいで遊ばされ候三斎公は、景一が外戚がいせきの従弟たる森三右衛門を使に田辺へ差立てられ候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一時餘いつときあまりちぬれどもでよとはのたまはず、はただしたまふべき樣子やうすもなし。彼者かのもの堪兼たまりかねて、「最早もはや御出おだくださるべし、御慈悲ごじひさふらふ」とたてまつる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あなたの娘ではなしさ、きり/\此処ここ御出おだしなされ、七が眼尻めじりあがらぬうち温直すなおになされた方が御為おためかと存じます、それともあなたは珠運とかいうやつに頼まれて口をきくばかりじゃ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
毎日のやうに御出おんい被成候なされさふらふて、御前様の御世話おんせわ万事被遊候あそばされさふらふ御方おんかたよしに候へば、後にて御前様さぞさぞ御大抵ならず御迷惑被遊候あそばされさふらふ御事おんことと、山々御察おんさつし申上候へども、一向さやうに御内合おんうちあひとも存ぜず
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
承元じょうげん二年戊辰つちのえたつ。二月小。三日、癸卯みずのとう、晴、鶴岳宮つるがおかぐう御神楽みかぐら例の如し、将軍家御疱瘡ほうそうりて御出ぎょしゅつ無し、前大膳大夫さきのだいぜんのだいぶ広元朝臣ひろもとあそん御使として神拝す、又御台所みだいどころ御参宮。
鉄面皮 (新字新仮名) / 太宰治(著)