“おだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
42.6%
31.3%
小田9.1%
織田7.4%
3.4%
煽動2.8%
0.6%
御出0.6%
御抱0.6%
0.6%
0.6%
煽立0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おだて、ただ淡々として子供同志の間に、どんな騒動が持ち上がってもそれを風のように裁き、何事も尋常茶飯の間に扱っている。
盗難 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
それでも風がないので、海の上は平生よりもかえっておだやかに見えた。あいにくな天気なので人の好い母はみんなに気の毒がった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
国府こうを中心にして、新川にいかわ頸城くびきあたりから、ある時は、赤石、小田おだの浜の地方まで、親鸞は、ひょうひょうと布教にあるいた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其以後そのいごたれけぬ。やうや此前このまへ素通すどほりするくらゐであつたが、四十ねんぐわつ十二にちに、は、織田おだ高木たかぎ松見まつみ表面採集へうめんさいしふ此邊このへんた。
御米およねなほした。宗助そうすけ途方とはうれて、發作ほつさをさまるのをおだやかにつてゐた。さうして、ゆつくり御米およね説明せつめいいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御布施おふせが段々少くなるのに氣を腐らせ、少し人間の甘い癖に、文字花に夢中になつて居る猪之助を煽動おだてゝ、筋書まで拵へて、二人の男を殺さしたのさ。
ほんとにそう思っているのかどうか三馬はおだてるように言った。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一時餘いつときあまりちぬれどもでよとはのたまはず、はただしたまふべき樣子やうすもなし。彼者かのもの堪兼たまりかねて、「最早もはや御出おだくださるべし、御慈悲ごじひさふらふ」とたてまつる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
るがめてのたのしみなりれはのぞみとてなれば生涯しやうがいこの御奉公ごほうこうしてかたさま朝夕あさゆふ御世話おせわさては嬰子やゝさままれたまひての御抱おだなににもあれこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其一群の中には、屹度きつと今夜が始めて……といふ初陣うひぢんの者が一人は居るので、それをおだてたり、それをからかつたり、散々飜弄ひやかしながら歩いて行くのが何よりも楽みに其頃は思つて居た。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
二人は手をとりあってうれしそうに話したが、その言葉はおだやかでしとやかであった。二人はそこでひどく愛しあって、はなれることができないようになった。
封三娘 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「これこれ。煽立おだてやんな。落ちぶれたなら声も落ちつろう。ただ小謡こうたいよりもふしが勝手で気楽じゃまで……」
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)