“嬰子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にが14.3%
あかご14.3%
えいじ14.3%
みどりご14.3%
やや14.3%
ややこ14.3%
やゝ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はよう内さ行くべし。われ嬰子にがはおっぬべえぞ。赤痢さとッつかれただ」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
誰一人ほとんど跫音あしおとを立てなかった処へ、屋根は熱し、天井は蒸して、吹込む風もないのに、かさかさと聞こえるので、九十九折つづらおりの山路へ、一人、しの、熊笹を分けて、嬰子あかご這出はいだしたほど
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蓋を払って見ると、中に納めてあるのは、一尺二三寸の立像が一つ、恐ろしくすすまみれておりますが、慈眼を垂れて、しか嬰子えいじを抱いた様子は、見馴れた仏様の姿態ではありません。
嬰子みどりごむかしにかへり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
如是我聞によぜがもん仏説阿弥陀経ぶつせつあみだけう、声は松風にくわして心のちりも吹払はるべき御寺様おんてらさま庫裏くりより生魚なまうをあぶるけぶなびきて、卵塔場らんたうば嬰子やや襁褓むつきほしたるなど、お宗旨によりてかまひなき事なれども
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すわせていましたと申しますのでどんなあじがするといいましたら嬰子ややこのときのことはおぼえていないけれどもいま飲んでみるとふしぎな甘いあじがします
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
るがめてのたのしみなりれはのぞみとてなれば生涯しやうがいこの御奉公ごほうこうしてかたさま朝夕あさゆふ御世話おせわさては嬰子やゝさままれたまひての御抱おだなににもあれこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)