“庫裏”の読み方と例文
読み方割合
くり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
藤木家の寺院おてらは、浅草菊屋橋のほとりにあって、堂々とした、そのくせ閑雅な、広い庫裏くりをもち、やぶをもち、かなり墓地も手広かった。
突然庫裏くりの方から、声を震わせて梵妻だいこくが現われた。手にくわのような堅い棒を持ち、ふとった体を不恰好ぶかっこうに波うたせ、血相かえて来た。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
お小姓は靜かに立上つて庫裏くりの方に退くと、死ぬほど耻かしかつたお由利は、かれたもののやうに起つて、その後を追ふのです。
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)