小田おだ)” の例文
そう小田おださとると、自分じぶん行為こういまでがかえりみられて、これから、自分じぶんも、ほんとうのただしい、つよ人間にんげんになろうと決心けっしんしたのでした。
笑わなかった少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
国府こうを中心にして、新川にいかわ頸城くびきあたりから、ある時は、赤石、小田おだの浜の地方まで、親鸞は、ひょうひょうと布教にあるいた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うの花にはまだ早い、山田小田おだ紫雲英げんげのこんの菜の花、並木の随処に相触れては、狩野かの川が綟子もじを張って青く流れた。雲雀ひばりは石山に高くさえずって、鼓草たんぽぽの綿がタイヤのあおりに散った。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
願わくば一度は此処ここにしばらくの仮りのいおりを結んで篁の虫の声小田おだかわずの音にうき世の塵にけがれたるはらわたすゝがんなど思ううち汽車はいつしか上り坂にかゝりて両側の山迫り来る。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
とつぜん、うしろで、係長の小田おださんの声がした。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
雲雀ひばりなく小田おだに土持つころなれや 珍碩
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
蛙子かえるごや尾先ににごす小田おだの水 淵龍
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
山の裾辺の麦の小田おだ
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あっ、わたどりが!」と、小田おだが、大空おおぞらしました。はるかに、そらをたがいにいたわりながら、とおたびをするとりかげられました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
正吉しょうきちくんは、はじめて小田おだくんのうちへあそびにいって、ちょうせんぶなをせてもらったので、たいそうめずらしくおもいました。
「こんど、小田おだくんのおうちは、とおいところへおひっこしになるので、みなさんとおわかれですから、ごあいさつをなさい。」
片目のごあいさつ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「えっ、すずめの?」と、みんなは、うえていると小田おだは、さおをばして、いただきについているまるいものをとしました。
すずめの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
学校がっこうで、正吉しょうきちは、とりわけ青木あおき小田おだとはなかよしでした。三にんは、ひるやす時間じかんに、運動場うんどうじょうて、かげのところではなしをしていました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小田おだは、自分じぶん帽子ぼうしなかへすずめのれて、三にんは、教室きょうしつはいると、かえるまで、どうしておくかということを相談そうだんしました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
少年小使しょうねんこづかいの小田おだけん一は、いったのでした。子供こどもたちは、すべてってしまって、学校がっこうなかは、にもひとしかったのです。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
佐藤さとうこたえは、ただそれだけでありました。先生せんせいは、こんど、小田おだをおさしになりました。かれは、くみじゅうでの乱暴者らんぼうものでした。
笑わなかった少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先生せんせい、しかし、あらしになりそうです。またくらくなって、おかえりにおこまりですから。」と、小田おだは、遠慮えんりょしたのでした。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくたち、おかあさんが、かぜをひいてねているので、今日きょうは、弁当べんとうってこなかったんだ。」と、北川きたがわくんが、小田おだかって、はなしました。
笑わなかった少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、こちらへいらして、ごらんください。」と、助手じょしゅ小田おださんは、さきって、博士はかせを、しんとした、うすぐらい研究室けんきゅうしつ案内あんないしました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
博士はかせは、へやへはいってきた小田おださんに、こんどの旅行りょこう北国ほっこくや、いろいろ経験けいけんしたことを、くわしくはなしました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先生せんせい、するとこのおんなは、貞操ていそうをまもりたいばかりに、だまってをえらんだのですね。」と、小田おださんがきました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「よし、ぼくのぼっていってろうや。」と、勇敢ゆうかんで、元気げんきで、木登きのぼりの上手じょうず小田おだがかしののぼりはじめました。小田おだは、したふとえだったとき
すずめの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「もう、あす、学校がっこうへいっても小田おだくんはこないな。」といって、なかにいっぱいなみだをためていました。
片目のごあいさつ (新字新仮名) / 小川未明(著)
小田おだくん、すこし、漢文かんぶんてあげよう。ようがすんだら、ここにきたまえ。」と、老先生ろうせんせいは、いわれた。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そうさ、小田おだくんは、それはうまいから。」と、しんちゃんはなにをおもいだしたのか、感心かんしんをしています。
片目のごあいさつ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくたちも、いっしょに、ペスをさがしにゆこう。そして、はやくつかったら、みんなでりにかけよう。」と、小田おだがいいますと、高橋たかはし賛成さんせいしました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
小田おだのいうことはよくわかる。あたまがいいからだ。そして、いつまでもおが、あついとおもったり、やまがらに、おをやるようなものは、あたまがよくないからだ。」
ある日の先生と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちょうど、そのとき、小田おだ高橋たかはしが、りざおとバケツをげてたっちゃん兄弟きょうだいさそいにきました。日曜日にちようびに、かわかんぶなをりにゆく、約束やくそくがしてあったからです。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉雄よしお不安ふあんのうちに、修身しゅうしん時間じかんを、一時間じかんごしました。そして、やす時間じかんになったときに、かれは、いつも、はっきりと先生せんせいに、われたことをこたえる、小田おだかって
ある日の先生と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「やまがらが、おんだら、したくだろうかね。」と、吉雄よしおは、小田おだにたずねました。
ある日の先生と子供 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このあいだ、おじいさんがりにきたのをったのだよ。」と、小田おだくんはいいました。
小田おだも、高橋たかはしも、よくペスのことをっていました。たっちゃんとしょうちゃんのはなしをきくと
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
「それよかきみ、あしたいっしょにさかなつりにいこうね。」と、小田おだくんはいいました。
「おい、だれか、ぼうってきてくれよ。」と、さけびました。孝吉こうきちはすぐはしっていって、小使こづかしつのそばにてかけてあったたけざおをってくると、小田おだは、それをうえからって
すずめの巣 (新字新仮名) / 小川未明(著)