“庵”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いおり51.5%
いほり16.5%
いお11.3%
あん10.8%
いほ7.7%
イホリ1.0%
いおい0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八五郎が一度来た琢堂のいおりは、宵闇の中に堅く閉されて、人影がありそうもなく、四方は、松原で、人に訊くすべもなかったのです。
離れて涅槃ねはんの道に引導すべければ是より我がいほりに參られよとて夫より上新田村の無量庵へ同伴どうはんなし懇切ねんごろに弔ひければ安五郎はあつく禮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
するうちに、かさこそと、藪隣やぶどなりのあばら家から、一おうなが出て来て「このいおのあるじなら、とうにもう、ここにおいでられませぬ」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうして襷掛たすきがけで働いているところを見ると、どうしても一個の独立したあんの主人らしくはなかった。納所なっしょとも小坊主とも云えた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
みがきてにはかげも心地こゝちよげなるを籠居たれこめてのみ居給ゐたまふは御躰おからだにもどくなるものをとお八重やへさま/″\にいざなひてほとりちかき景色けしき田面たのもいほわびたるもまた
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その九月興行に、後のイホリの待遇を受けて、侍女早咲・おとり・矜羯羅こんがら童子・夏目半楽・盛岡屋おなるの役割を得た。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
柴のいおいに立ちかえり、本尊仏にむかい奉るといえども、観念のゆかには妄想のたちそい、称名のおん声だに、煩悩ぼんのうの息とのみ聞えたもう。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところで奥平家が私をその教師に使うので、その前、松木まつき杉亨二すぎこうじと云うような学者をやとうて居たようなけで、私が大阪に居ると云うことがわかったものだから、他国の者を雇うことはない
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)