『盗難（とうなん）』

私は、娘を盗まれたことがある。そのときのやるせなさと、自責の念に苛まれた幾日かの辛さは、いまでも折りにふれてわが心の底によみがえり、頭が白らけきる宵さえあるのである。 結婚後、五、六年になるが不幸にも、私ら夫妻は子宝に恵まれなかった。しかし …

著者	佐藤垢石
ジャンル	文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約16分（500文字/分）
朗読目安時間	約26分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

労（いたわ） 鬢髪（びんはつ） 訳合（わけあ） 苛（さいな） 煽（おだ） 煩（うるさ） 歔欷（きょき） 掠（かす） 是非（ぜひ） 挙措（きょそ） 後家（ごけ） 密（ひそ） 瑞雲（ずいうん） 嗣子（しし） 薫風（くんぷう） 勃発（ぼっぱつ） 顛末（てんまつ） 風邪（かぜ） 何処（どこ） 齎（もたら）

題名が同じ作品

盗難 （新字新仮名）／ 宮本百合子 （著）

盗難 （新字新仮名）／ 江戸川乱歩 （著）