小さい妹の、激しい泣き声に目をさましたのは、彼れ此れもう六時であった。 三時頃に一度お乳を遣った丈だったので、空おっぱいをあずけたまま、先ぐお乳を作りに配膳室へ出て行った。 寝間着のお引きずりのまま、二人が腫れぼったい目にもう強過ぎる日光で …
著者 | 宮本百合子 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「宮本百合子全集 第二十九巻」新日本出版社、1981(昭和56)年12月25日 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約13分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約22分(300文字/分) |