薔薇と巫女ばらとみこ
家の前に柿の木があって、光沢のない白い花が咲いた。裏に一本の柘榴の木があって、不安な紅い花を点した。その頃から母が病気であった。 村には熱病で頭髪の脱けた女の人が歩いている。僧侶の黒い衣を被たような沈鬱な木立がある。墓石を造っている石屋があ …
作品に特徴的な語句
まわ つむ ひい いた いず なつか すみか 色彩いろど ばかり たず つらな あらわ 何処いずこ まさ そむ やか わたし まか ずつ たいら ゆす 斯様こん しば おぼ 橙色オレンジ とも 穿うが 行先ゆきさき つれ 頓着とんちゃく 頭髪かみのけ 一疋いっぴき また 仄白ほのじろ 何処どこ 何方どちら 偶々たまたま わず 光沢つや 其処そこ 其等それら 刹那せつな 勿論もちろん 化殖ふよけ うめ むせ 啼声なきごえ はじめ 家敷やしき 家根やね 寂然ひっそり 巫女みこ ゆる 強力ごうりき こた ことごと 悪痛いた おどろ おお もた さと 是等これら かつ 木精こだま 枕許まくらもと 柘榴ざくろ 桑圃くわばたけ 此処ここ 死固しにかたま 沙地すなち ようや しか 真紅まっか じっ 眼醒めざ 礎石そせき かく まれ のき つい 縷々るる かか 老翁ろうおう 耳許みみもと さと そむ