“橙色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だいだいいろ72.7%
オレンジ6.8%
だいだい4.5%
オレンジいろ4.5%
とうしょく2.3%
だいだいろ2.3%
だい/″\いろ2.3%
オランジユいろ2.3%
オレンヂ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
陽がした。白い海気ににじんだ橙色だいだいいろの旭光を船底から上に仰ぐと、後醍醐は、待ちきれぬもののように、乾魚俵ほしかだわらの間からお身を起した。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのうえ、ここはさまざまな屈折が氷のなかでたわむれて、青に、緑に、橙色オレンジに、黄に、それも万華鏡のような悪どさではなく、どこか、縹渺ひょうびょうとした、この世ならぬ和らぎ。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
私は書斎へはいって、台ランプのスイッチをひねった。橙色だいだいの弱い光が、ぼんやりと周囲に放射された。
秘密 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
「それは何でござんすね。」と、叔母はうす橙色オレンジいろのそのコップを遠くからすかして見た。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
見るものはただち黄色こうしょくを帯びたる淡く軟かき緑色りょくしょくとこれに対する濃きみどりあいとの調和に感じまた他の一作洲崎弁天海上眺望の図においては黄色と橙色とうしょくとの調和を
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
以前の位置へ戻すことさえできない。私は幾度もそれを繰り返した。とうとうおしまいには日頃から大好きだったアングルの橙色だいだいろの重い本までなおいっそうのえがたさのために置いてしまった。
檸檬 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
の一瞬時しゆんじ強烈きやうれつひかりよこひがしもり喬木けうぼくさび橙色だい/″\いろめて、さらひかり隙間すきまとほくずつとのばした。つめたくかつ薄闇うすぐらるにしたがつて燒趾やけあと周圍しうゐあかるくした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一人ひとりづ目覚めて船甲板ボウトデツキを徘徊して居ると、水平線上の曙紅しよこうは乾いた朱色しゆしよくを染め、の三ぱうには薄墨うすずみ色を重ねた幾層の横雲よこぐもの上に早くも橙色オランジユいろ白金色プラチナいろの雲の峰が肩を張り
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
まづその鼻の色はすみれの色をしてゐます。それに目玉はあゐ、耳朶みみたぶはうす青、前足はみどり、胴体はきい、うしろ足は橙色オレンヂで、尾は赤です。ですから、ちやうど、にじのやうに七色をしたふしぎな猫でした。
虹猫の話 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)