“横雲”の読み方と例文
読み方割合
よこぐも100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五日の月が、西の山脈さんみゃくの上の黒い横雲よこぐもから、もう一ぺん顔を出して、山にしずむ前のほんのしばらくを、にぶなまりのような光で、そこらをいっぱいにしました。
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
夕方は、まんまるなあかい日が、まんじりともせず悠々ゆうゆうと西に落ちて行く。横雲よこぐもが一寸一刷毛ひとはけ日の真中を横になすって、画にして見せる。最早もうはらんだ青麦あおむぎが夕風にそよぐ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
一人ひとりづ目覚めて船甲板ボウトデツキを徘徊して居ると、水平線上の曙紅しよこうは乾いた朱色しゆしよくを染め、の三ぱうには薄墨うすずみ色を重ねた幾層の横雲よこぐもの上に早くも橙色オランジユいろ白金色プラチナいろの雲の峰が肩を張り
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)