“抹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まつ68.9%
なす15.6%
4.4%
まっ4.4%
2.2%
つま2.2%
2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
損といえば損な人、不徳といえば不徳な人、いずれにしても入道の心事には、寂しいものが一まつ常に横たわっていた事は争えなかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
野と山にはびこる陽炎かげろうを巨人の絵の具皿にあつめて、ただ一刷ひとはけなすり付けた、瀲灔れんえんたる春色が、十里のほかに糢糊もこ棚引たなびいている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
奥座敷の中央まんなかには、正太が若い時に手ずから張って漆をいたという大きな一閑張いっかんばりの机が置いてある。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
海の波穏やかな色は雲なき大空の色と相映じて蒼々茫々そうそうぼうぼう、東は際限はてなく水天互いに交わり、北は四国の山々手に取るがごとく、さらに日向地ひゅうがじは右に伸びてその南端を微漠煙浪びぼうえんろうのうちにまっし去る
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「しかせずば願わくは汝の書きしるし給えるふみの中より、わが名をし去り給え」とまで祈ったのです(民数紀略一二の三、出エジプト記三二の三二)
その物寂しい長廊下にしばらく三太夫は立っていたが、紙に包んだ白粉を二本の指でつまみ上げ、廊下の一所へそれをいた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
マグダラのマリヤ、ヤコブの母マリヤおよびサロメら、女たちは往きて、イエスにるべき香料を買いととのえ、夜の明けるのを待ちました。