-
トップ
>
-
瀲灔
読み方 | 割合 |
れんえん | 66.7% |
ちらちら | 33.3% |
野と山にはびこる
陽炎を巨人の絵の具皿にあつめて、ただ
一刷に
抹り付けた、
瀲灔たる春色が、十里のほかに
糢糊と
棚引いている。
魚のやうにねむりつづける
瀲灔としたみづのなかの かげろふ色のばらの花。
池は
玉もて張りたらんやうに白く湿める水の
面に、静に魚の
溌ぬる聞こえて、
瀲灔と石燈籠の火の解くるも
清々し。塀を隔てて江戸川
縁の花の
林樾は
一刷に淡く、向河岸行く辻占売の声
幽かなり