“なす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
茄子69.9%
9.1%
那須5.3%
3.3%
2.4%
1.9%
捺摺1.4%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
捺塗0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
被為0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
婆さんが、裏の畑から、味噌汁の中に入れる茄子なすをもいで、馬小屋の前に出て来た。春からの僂麻質斯リュウマチスで、左には松葉杖をついていた。
駈落 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
実際、二、三本の棒がいかに彼の上で、または下で、はすかいに置かれるかが、そして彼の住む箱にどんな色がなすられるかが大問題なのだ。
諸君の中には近頃一読せられた人もあろうと思うが、清水文弥翁の『郷土史話』には、野州やしゅう那須なすの農村における実験がしるしてある。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
橋口君が唸りたい一方なら、この中老はなすりたい一方で、斯ういう会合には落款らっかんまで懐中に忍ばせている。まことに用意周到なものだ。
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「今朝新聞を見ましたところが、阿父おとつさんが、大怪我をなすつたと出てをつたので、早速お見舞に参つたのです」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
唇から付いたんなら、もう少しうつすり付きますが、筒の口は紅が笹色さゝいろになつてゐるほど付いてるでせう。それは、紅皿から指で筒の口へなすつたものに相違ありません
全く彼れ自身に特有な思索と観察の力によって、次第々々に鍍金を自分でがして来たに過ぎない。代助はこの鍍金の大半をもって、親爺おやじ捺摺なすり付けたものと信じている。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一 人の妻と成ては其家を能くたもつべし。妻の行ひ悪敷あしく放埒なれば家を破る。万事つづまやかにしてついえなすべからず。衣服飲食なども身の分限に随ひ用ひておごること勿れ。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
大切になしくれ候事若き者にはめづらしくお前樣方も嫁を取るゝならば女郎がよろしきなどと今はかへつ自慢じまんなすほどなれば家内むつましく暮し居たりけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
段右衞門聲高にやかましい女め如何樣どんなにべら/\喋舌しやべるとも然樣そんなことは夢にも覺えはねえおのれはまアおそろしい阿魔あまだ女に似合にあは誣言事こしらひごと扨は三五郎のかたきと思ひ違へての惡口あくこうならん七人の子をなすとも女に心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ヸオロンのさんいとなするこころか
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして伊吹山は恰も其等の盟主であるかの如く、頂點のところに白い横雲が捺塗なすつたやうにやつぱり引懸つてゐる。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
犬は主人の同類がやって来たのを見ると、嬉しがって、少し元気よく吠えて鼻頭はなさきなすりつけるようにした。
幻想 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
はるか向うには、白銀しろかねの一筋に眼を射る高野川をひらめかして、左右は燃えくずるるまでに濃く咲いた菜の花をべっとりとなすり着けた背景には薄紫うすむらさき遠山えんざん縹緲ひょうびょうのあなたにえがき出してある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今より後われ爾曹なんじらしもべいわず。そは僕は其の主のなすことを知らざれば也。我さきに爾曹を友と呼べり。我爾曹に我が父より聞きし所のことを尽くつげしにる。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
……ゆめなんだか、うつゝなんだか、自分じぶんだか他人たにんだか、宛然まるで弁別わきまへいほどです——前刻さつきからおはな被為なすつたことも、其方そちらではたゞあはあはわらつてらつしやるのが、種々いろ/\ことばつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「へえ、そのなんでございますか、旦那だんな、その弁護士というやつは出刃打ちの肩を持って、人殺しの罪を女になすろうという姦計たくみなんでございますか」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)