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なす
早く相応な者を
宛がって
初孫の顔を見たいとおもうは親の私としてもこうなれど、
其地へ往ッて一軒の家を
成ようになれば家の大黒柱とて無くて
叶わぬは妻
段右衞門聲高に
噪しい女め
如何樣にべら/\
喋舌とも
然樣なことは夢にも覺えは
無汝れはまア
恐しい
阿魔だ女に
似合ぬ
誣言事扨は三五郎の
敵と思ひ違へての
惡口成ん七人の子を
成とも女に心を
流し
足摺しつゝ千太郎が
胸づくしを
聢と
捕へて異見やら又
呟くやら我が
正直なる心より
狂氣の如く身を
震はしこなたへ御座つて篤くりと此久八が言事を御
聞成つて下されとまだ朝まだきで人通りの無を