“こす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:コス
語句割合
78.5%
8.3%
4.5%
2.6%
1.5%
1.1%
濃過0.8%
0.4%
小摺0.4%
小狡0.4%
摩擦0.4%
狡猾0.4%
0.4%
虎寿0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
船頭の半纏はんてんや、客の羽織などを着せて、こすったり叩いたり、いろいろ介抱に手を尽していると、どうやらこうやら元気を持ち直します。
と言ふより早く、智恵子の手は突然いきなり男の肩に捉つた。強烈はげしい感動が、女の全身に溢れた。強く/\其顔を男の二の腕にこすり付けて
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
こすいものにはだまされ、家禄放還金の公債もきあげられ、家財を売りぐいしたり、娘を売ったり、やり一筋の主が白昼大道にむしろを敷いて、その鎗や刀を売ってその日のかてにかえた。
ポオル叔父さんは机から封蝋の棒を取つてそれを上着の袖で手早くこすりました。それからそれを小さな紙きれに近づけました。子供達はそれを見つめてゐます。
啖壺たんつぼが備えてあっても衛生や公徳の何物たるを知らない連中は平気で床の上へ啖を吐いたり、つばを吐いたりして何の心だかわざわざそれを靴の底でこすひろげています。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
グリフォンはすわみ、兩眼りやうがんこすつて、えなくなるまで女王樣ぢよわうさま見戍みまもり、それから得意とくいげに微笑ほゝゑみました。『なん滑稽こつけいな!』とグリフォンは、なか自分じぶんに、なかあいちやんにひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
はい旦那様だんなさまわたくしも、賓客きやくときには八百膳やほぜん仕出しだし取寄とりよせまして、今日けふ向付肴むかうづけ甘酢あまず加減かげん甘味過あますぎたとか、しる濃過こすぎたとか、溜漬たまりづけ辛過からすぎたとか小言こごとつた身分みぶんでございますが
以て小林軍次郎召使めしつかひ惣助同道にて早々本陣へ罷りこすべき旨申達せしに軍次郎は大におどろき惣助を腰繩にて召連來めしつれきたれば直に惣助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つとめし家なり然るに平助は四十の歳をこすと雖も未だ一子なく家名の斷絶だんぜつせん事を歎き親類しんるゐどもと相談さうだんの上小十人組頭金松善四郎とて高七百石を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
惣領が長い柄の柄杓ひしゃくで水を牛の背にかける、母親が縄たわしで頻りに小摺こすってやる、白い手拭を間深かにかぶって、おれのいったのも気がつかずにやってる、表手の庭の方には
姪子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
あいつは子供の時から根性がよくなくてな、喧嘩口論でもしたが最後、いつまでも根に持っている奴だ、小狡こすからくって裏表があるから、わしは昔からあの男が大嫌いだった。
中山七里 二幕五場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
…………………………………いてあげましょう。妾の睫毛まつげであなたの睫毛を、そっと摩擦こすって上げましょう。そうしてあなたがお望みなら、………………………………。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
望月刑事が当家こゝへ訪ねたのは、日ももうトップリ暮れた頃だった。栄吉は稼ぎに出ていて未だ帰らず、三十そこ/\と思われる狡猾こすそうな顔をした女房が留守番をしていた。
青服の男 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
多少擦れているような点もあるか知れないが、それは境遇上むを得ないことである、あれで案外純真な、正直なところもあって、お腹の中はそうこすからい人間ではない
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そして、こうした、老いた、衰えかけた心の中に現れて来る幼児の幻は、哲丸も、虎寿こす丸も、たれもかれも、皆にこにことして、笑っていた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)