“すり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スリ
語句割合
掏摸65.1%
6.8%
5.5%
4.1%
掏賊3.4%
3.4%
攫徒2.7%
掏児1.4%
掬摸1.4%
攫客1.4%
修理0.7%
剪児0.7%
剪兒0.7%
掏兒0.7%
掏模0.7%
0.7%
摸摸0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その開卷に旅客心得として、江湖十二則を掲げてあるが、概して盜賊・放馬おひはぎ欺騙かたり掏摸すり拐騙もちにげ偸換すりかへ等に對する注意に過ぎぬ。
支那人の妥協性と猜疑心 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
すり硝子めく明るい霧の底に、四方の風景が白つぽく淀んでゐる。昨夕から引續いて、風は少しも無い。四邊の白さの底に何か暖いほんのりしたものさへ感じられる。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
その時気がついたんだが彼の背広はあちこちすり切れていて、今日はカラアも着けていなかった。この前は血走っていたが今日の眼は青く澄んでいる。
(新字新仮名) / 梅崎春生(著)
「これが一番大きくって心持がいいでしょう」と云った下女は、津田のためにすり硝子のはまった戸をがらがらと開けてくれた。中には誰もいなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ことの起原おこりといふのは、醉漢ゑひどれでも、喧嘩けんくわでもない、意趣斬いしゆぎりでも、竊盜せつたうでも、掏賊すりでもない。むつツばかりの可愛かはいいのが迷兒まひごになつた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
書肆ほんやからは頻々ひんぴんと矢の催促をうけるので、版木彫はんぎぼりすりをひきけている彫兼ほりかね親爺おやじはきょうも、絵師の喜多川春作の家へ来て、画室に坐りこんでいた。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大分、もう売って行ってほとんど出盛りのテッペンと思う頃、仕事をしに入り込んでいた攫徒すりの連中が、ちょうど私たちの店の前で喧嘩けんかを始めた。
掏児すりに取られたていにして届け出よう、そう為ようと考がえた、すると嫌疑けんぎが自分にかかり、自分は拘引される、お政と助は拘引中に病死するなど又々浅ましい方に空想が移つる。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
掬摸すり窃盗しのび……悪事ときたら何でもござれの、デパートみたいな男であったが、これも亡くなった父親に助けられたのを徳として、フッツリと悪の道を絶って
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
さりともらぬミハイル、アウエリヤヌイチは、大得意だいとくいで、仏蘭西フランス早晩そうばん独逸ドイツやぶってしまうだろうとか、モスクワには攫客すりおおいとか、うま見掛みかけばかりでは、その真価しんかわからぬものであるとか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
鳥羽殿とばどの白河殿しらかわどのなども修理すりせさせたまひて常にわたりすませ給へどなお又水無瀬といふ所にえもいはずおもしろき院づくりしてしば/\通ひおはしましつゝ春秋の花もみぢにつけても御心ゆくかぎり世を
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
人山きづくが中にいまはしきうたがひを受けつ、口をしや剪児すりよ盗人と万人にわめかれし事もありき。
琴の音 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人山きづくが中に忌はしきうたがひを受けつ、口をしや剪兒すりよ盜人と萬人にわめかれし事もありき。
琴の音 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
次手ついでにとぼけたのがある。江戸えど掏兒すりは、ひと下駄げたがすとくが、唐人たうじんだけに穿いてくつがされて、あまつさ屋根やねげられた、とふのがひとつ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
江戸の盗賊や掏模すりやけいず買いどもが集まる、今日の暗やみ市を機会に、一網打尽、大がかりな手入れをやる気組きぐみらしいのであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早春の斜陽がガラス戸越しに差し入り、白い原稿用紙の上に、すりガラスの模様を映している。ガラス障子は真中を開いておくので、まだ羽虫の群れが跳ねているのが見えている。
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
翌日よくじつ新聞しんぶんには、やみなか摸摸すり何人なんにんとやらんで、何々なに/\しなぬすまれたとのことをげて、さかん会社くわいしや不行届ふゆきとどき攻撃こうげきしたのがあつた。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)