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擦
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すり
ふりがな文庫
“
擦
(
すり
)” の例文
むかし富士山に登つた時、砂走で轉んで
擦
(
すり
)
むいた
膝子
(
ひざつこ
)
の傷痕を撫でながら、日本晴の空にそそり立つ此の國の山々の姿を想ひ描くのである。
山を想ふ
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「これが一番大きくって心持がいいでしょう」と云った下女は、津田のために
擦
(
すり
)
硝子の
篏
(
はま
)
った戸をがらがらと開けてくれた。中には誰もいなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
同一
(
おなじ
)
処をちょっとも動かず、四足をびりびりと伸べつ、縮めつ、白い
面
(
つら
)
を、目も口も分らぬ
真仰向
(
まあおむ
)
けに、草に
擦
(
すり
)
つけ擦つけて転げる
工合
(
ぐあい
)
が、どうも
狗
(
いぬ
)
ころの
戯
(
じゃ
)
れると違って
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ある時は牝馬と同じように前足を高く揚げて踴上るさまも見え、ある時は顔と顔を
擦
(
すり
)
付けて互に懐しむさまも見える。時によると、牝馬はつんと
憤
(
すね
)
た様子を見せて、後足で源の馬を蹴る。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ではもう、浴場との境の
擦
(
すり
)
ガラスの戸を開けて見るまでもありません。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
或る時には
擦
(
すり
)
ガラスを透して見るやうにほのかであつた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
擦
常用漢字
中学
部首:⼿
17画
“擦”を含む語句
擦違
手擦
摩擦
擦剥
擦合
擦過傷
擦傷
擦付
足擦
引擦
衣擦
当擦
頬擦
擦硝子
垢擦
擦過
面擦
擦着
擦創
擦上
...