“弁別”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わきま30.8%
べんべつ15.4%
わきまえ15.4%
あやめ7.7%
みわけ7.7%
わきまへ7.7%
わきめえ7.7%
わさま7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肝心かんじんの叔父さえただ船に乗る事を知っているだけで、後は網だか釣だか、またどこまでいで出るのかいっこう弁別わきまえないらしかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
思慮の周密しゅうみつ弁別べんべつ細緻さいち標榜ひょうぼうする学者の所置としては、余の提供にかかる不公平の非難を甘んじて受ける資格があると思う。
学者と名誉 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何が何でも、そこに立っちゃいられんから、ったか、ったか、弁別わきまえはない、凸凹でこぼこの土間をよろよろで別亭はなれの方へ引返すと……
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ようやく何度目かの勧めで、やっと、では、というように二人が立ちどまった時には、もう小半町先は、ものの弁別あやめも分かぬ薄暗うすやみに包まれていました。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
死んでいるか生きているかさえ弁別みわけのつかない彼にもこういう懸念がいた。彼は忽ち出産の用意が戸棚のうちに入れてあるといった細君の言葉を思い出した。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……ゆめなんだか、うつゝなんだか、自分じぶんだか他人たにんだか、宛然まるで弁別わきまへいほどです——前刻さつきからおはな被為なすつたことも、其方そちらではたゞあはあはわらつてらつしやるのが、種々いろ/\ことばつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私ア何も知んねえ在郷ざいごもんで、何の弁別わきめえも有りやしねえが、村の神主さまのお説教を聴きにくと、人はあめが下の霊物みたまもので、万物の長だ、是れよりとうといものは無い、有情物いきあるもの主宰つかさだてえから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
男とも女とも弁別わさまえるひまなく、れてぐんなりと手の伸びるままに、細々と煙の立つ、その線香を押着おッつけたものであろう。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)