“弁解”のいろいろな読み方と例文
旧字:辯解
読み方割合
いいわけ51.0%
べんかい22.4%
いひわけ10.2%
いいとき2.0%
いいひら2.0%
いいひらき2.0%
いいほど2.0%
いいわ2.0%
いひほど2.0%
ことわ2.0%
もうしわけ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんな人通りのない路地の奥へ入って、どうして櫛なんか死体の側へ置いたか、その弁解いいわけさえ立てば、お静の疑いはすぐ晴れます
しかしこういう内省はしても、その内省にとらわれて、彼に会うことを逡巡しゅんじゅんしたり卑屈な弁解べんかいを考えてみたりする信長ではなかった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけのわからない弁解いひわけを示して、おさげに結むだリボンを前に廻して、それをもてあそびながら、もう一遍「だつて……」と云ひました。
美智子と日曜日の朝の話 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その槙だが、いまの弁解いいときを聞くまでは、おなじく、この人数にんずに、はきもののその数は、と思ったのだそうである。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貴嬢きみがいかに深き事情わけありと弁解いいひらきたもうとも、かいなし、宮本二郎が沈みゆく今のありさまに何のかかわりあらん。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ただかの美しき乙女よくこれを知るといえども、素知らぬ顔して弁解いいひらきふみを二郎が友、われに送りぬ。げに偽りという鳥の巣くうべき枝ほど怪しきはあらず、うるわしき花咲きてその実はつちくれなり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
たわけめ」と源は自分で自分を叱って、「成程、打ったのは己が打った、女房の命は亭主の命、女房の身体は亭主の身体だ。己のものを打ったからとて、何の不思議はねえ」弁解いいほどいて見る。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「どうも背後うしろ暗い弁解いいわけだの、空の十六夜いざよいを眺めるには、吟味所の壁へピッタリと耳を当てるにも及ぶまいが」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
斯う自分で自分に弁解いひほどいて見た。丑松も思慮の無い男では無し、彼程あれほど堅い父の言葉を忘れてしまつて、好んで死地に陥るやうな、其様そんおろかな真似をる積りは無かつたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「泥棒と疑われても仕方がねえ。こんな夜中やちゅう弁解ことわりもせず、こんなきたな身装みなりをして他人ひとうちこっそり忍び込んだんだからな……早く縛るがいい何を為ているんだろう?」
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貴君あなたは私の恩人だ、これはあいすまんことをした弁解もうしわけがない」
荷花公主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)