“いひわけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
言譯16.2%
分疏16.2%
辯解14.7%
言訳10.3%
弁疏10.3%
弁解7.4%
辯疏5.9%
云譯2.9%
云訳2.9%
弁疎1.5%
云解1.5%
口實1.5%
言分1.5%
言別1.5%
辞柄1.5%
辨解1.5%
辯譯1.5%
陳辯1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしじつ貴方あなた御氣おきどくで」とせつなさうに言譯いひわけ半分はんぶんして、またそれなりだまつて仕舞しまつた。洋燈らんぷ何時いつものやうとこうへゑてあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「ちつたあ黴臭かびくさくなつたやうだが、そんでもこのくれえぢや一日いちんちせばくさえななほつから」勘次かんじ分疏いひわけでもするやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
以て訴訟うつたへにはなり難し何か工夫くふうありさうな事としばらく考へしが我等一ツの手段あり彦兵衞せがれ彦三郎と申者私し方へ參り正直しやうぢき無類むるゐの彦兵衞勿々なか/\ぬすみなど爲者なすものに非ず何故辯解いひわけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまみると、この言訳いひわけ、なぜこんなことをいはなければならなかつたのか、といふ気がします。その気兼ねが、ぐるりとまはつて、ばか/\しくさへ感じられます。
一葉の日記 (新字旧仮名) / 久保田万太郎(著)
もしかこの人が弁疏いひわけがましい隠し立などしないで、あけすけに、公然おほぴらに今度の戦争の事情いきさつを懺悔したら、どんなにか面白い書物が出来るだらう。
怒らしたものならむと、瞬く隙に見て取つて。もうこの上は詮方がない。弁解いひわけしても無益むだな事。それよりは、ここ一寸を遁れての、分別が肝要と。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
『え、被來いらしつてよ。』と言つた顏は心持赧かつた。『それに、今日は三十日ですから少し月末の調べ物があつて……。』と何やら辯疏いひわけらしく言ひながら、下駄を脱いで
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
盜み取りたる盜賊なりと申せしよし此儀はたしかなる證據ありや如何いかにと有ければ久兵衞こゝぞと思ひ其儀は文右衞門こと質物しちもつながれの云譯いひわけに五兵衞の見世へ參りし節流れ品を賣拂ひ候代金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
代助は又いそがしい所を、邪魔にて済まないといふ様な尋常な云訳いひわけを述べながら、此無趣味なにはを眺めた。其時三千代をこんなうちへ入れてくのは実際気の毒だといふ気がおこつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『それに今日は三十日ですから少し月末の調べ物があつて……。』と何やら弁疎いひわけらしく言ひながら、下駄を脱いで、『アノ、郵便は来なくつて、小母さん?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何がなしに自分の行動しうち——紹介もなしに男と話をした事——が、はしたない様な、いな、はしたなく見られた様な気がして、『だつて、那麽あんな切懸きつかけだつたんだもの。』と心で弁疎いひわけして見ても
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
取し事不埓千萬ふらちせんばん云解いひわけ有るやと申されしかば市郎左衞門は今更いまさら惘果あきれはて何共申譯之なく大いに後悔こうくわいなし恐れ入り奉つると平伏してぞ居たりける又彦三郎と呼れ其方若年にして孝心かうしんふかき段天に通じ父の惡名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
乾枯ひからびた薔薇ばらなどを口實いひわけほどに取散とりちらして貧羸みすぼらしうかざった店附みせつき
そして刀をかまへながら言分いひわけらしく「先生のお指図さしづだ」と云つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
かたへにとまり、ねもごろに言別いひわけ給ひ
歌よ、ねがふは (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
町人は自分を納得させるのに、何よりも辞柄いひわけを見つけた。「殿様の仰せと承はりますれば、惜しい髯ではござりますが、御用にお立て申しませう。」
チッバ 小僧わっぱめ、それが無禮ぶれい辨解いひわけにはならぬぞ。もどって拔劍け。
能もさぐらぬ過失あやまりなりしと思ひ附ては中々に辯譯いひわけなけれどかうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
陳辯いひわけ分䟽ぶんそかぬ。なみだ祈祷きとうつみをばあがなはぬぞよ。それゆゑになにまうすな。いそぎロミオを退去たちさらせい。さもなうて見附みつけられなば、其時そのときやが最期さいごぢゃ。この死骸しがいになひゆきて、めいて。