トップ
>
言訳
>
いひわけ
ふりがな文庫
“
言訳
(
いひわけ
)” の例文
旧字:
言譯
軈
(
やが
)
て
父親
(
てゝおや
)
が
迎
(
むかひ
)
にござつた、
因果
(
いんぐわ
)
と
諦
(
あきら
)
めて、
別
(
べつ
)
に
不足
(
ふそく
)
はいはなんだが、
何分
(
なにぶん
)
小児
(
こども
)
が
娘
(
むすめ
)
の
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
れようといはぬので、
医者
(
いしや
)
も
幸
(
さひはひ
)
、
言訳
(
いひわけ
)
旁
(
かた/″\
)
、
親兄
(
おやあに
)
の
心
(
こゝろ
)
もなだめるため
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いまみると、この
言訳
(
いひわけ
)
、なぜこんなことをいはなければならなかつたのか、といふ気がします。その気兼ねが、ぐるりとまはつて、ばか/\しくさへ感じられます。
一葉の日記
(新字旧仮名)
/
久保田万太郎
(著)
美奈子は其の
金子
(
かね
)
をも大部分
生活
(
くらし
)
の方に遣い込んで妹が上京して来た時余り
体裁
(
きまり
)
が悪いので、
言訳
(
いひわけ
)
計
(
ばか
)
りに古道具屋を探して
廉物
(
やすもの
)
を買つて来たのが此の箪笥であつた。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
平岡の言葉は
言訳
(
いひわけ
)
と云はんより寧ろ挑
戦
(
せん
)
の調子を帯びてゐる様に
聞
(
き
)
こえた。
襯衣
(
シヤツ
)
も
股引
(
もゝひき
)
も
着
(
つ
)
けずにすぐ
胡坐
(
あぐら
)
をかいた。
襟
(
えり
)
を
正
(
たゞ
)
しく
合
(
あは
)
せないので、
胸毛
(
むなげ
)
が少し
出
(
で
)
ゝゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
コレお半、ここは三条
愛宕道
(
あたごみち
)
、露の命の
置所
(
おきどころ
)
、草葉の上と思へども、義理にしがらむこの世から、
刃
(
やいば
)
でも死なれぬ故、淵川へ身を沈めるがせめても
言訳
(
いひわけ
)
、あとに残せしわが書置、さぞ今頃は女房が……
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
「そんな
言訳
(
いひわけ
)
はどうでも
好
(
い
)
いんですよ。
貴方
(
あなた
)
から見れば、みんな馬鹿にされる資格があるんだから」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
それ
)
も
突
(
つゝ
)
かけに
夜昼
(
よるひる
)
かけて
此処
(
こゝ
)
まで
来
(
き
)
たなら、まだ/\
仕事
(
しごと
)
の
手前
(
てまへ
)
、
山
(
やま
)
にも
水
(
みづ
)
にも
言訳
(
いひわけ
)
があるのに……
彼方
(
あつち
)
へ
二晩
(
ふたばん
)
此方
(
こつち
)
へ
三晩
(
みばん
)
、
泊
(
とま
)
り
泊
(
とま
)
りの
道草
(
みちくさ
)
で、——
花
(
はな
)
には
紅
(
くれなゐ
)
、
月
(
つき
)
には
白
(
しろ
)
く、
処々
(
ところ/″\
)
の
温泉
(
をんせん
)
を
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
帰り
路
(
みち
)
に与次郎が三四郎に向つて、突然借金の
言訳
(
いひわけ
)
をし
出
(
だ
)
した。月の冴えた比較的
寒
(
さむ
)
い晩である。三四郎は殆んど
金
(
かね
)
の事などは考へてゐなかつた。言訳を聞くのでさへ本気ではない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
こ
)
の
流
(
ながれ
)
と一
所
(
しよ
)
に
私
(
わたし
)
の
傍
(
そば
)
においでなさいといふてくれるし、まだ/\
其
(
それ
)
ばかりでは
自身
(
じぶん
)
に
魔
(
ま
)
が
魅
(
さ
)
したやうぢやけれども、こゝに
我身
(
わがみ
)
で
我身
(
わがみ
)
に
言訳
(
いひわけ
)
が
出来
(
でき
)
るといふのは、
頻
(
しきり
)
に
婦人
(
をんな
)
が
不便
(
ふびん
)
でならぬ
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
私
(
わたし
)
、
本当
(
ほんとう
)
に
済
(
す
)
まない事をしたと思つて、後悔してゐるのよ。けれども拝借するときは、決して
貴方
(
あなた
)
を
瞞
(
だま
)
して
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
く
積
(
つもり
)
ぢやなかつたんだから、
堪忍
(
かんにん
)
して頂戴」と三千代は甚だ
苦
(
くる
)
しさうに
言訳
(
いひわけ
)
をした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
訳
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“言”で始まる語句
言
言葉
言伝
言語
言下
言上
言草
言問
言出
言句