“魅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
36.0%
13.7%
つま12.4%
ばか8.7%
みい8.1%
みこ5.0%
3.1%
まど1.9%
だま1.2%
チヤーム0.6%
うな0.6%
おそ0.6%
かか0.6%
つまま0.6%
0.6%
はか0.6%
0.6%
まどわ0.6%
まよわ0.6%
みいつ0.6%
みいら0.6%
みせ0.6%
みゐ0.6%
0.6%
わざ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
歌物語うたものがたりに何の癡言たはことと聞き流せし戀てふ魔に、さては吾れとくよりせられしかと、初めて悟りし今の刹那に、瀧口が心は如何いかなりしぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「なに、長作もはじめは堅い男だったんですが、ふいと魔がして此の頃はすっかり道楽者になってしまったんです」
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いやしくも小児こどもを預って教育の手伝もしようというものが、まるで狐につままれたような気持で、……家内にさえ、話も出来ん。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これにばかされて、一つ出かけて行って巴里と世間話でもしてくるかな——ロメオ&ジュリエット——というわけで
「笑いごとじゃないよ、お前さんは、おっかない骸骨と、何をしようと云うんだね、お前さんは、邪鬼じゃきみいられてるのだ」
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今度はさざえの殻ぐらいでなく、短刀か匕首あいくちでも忍ばせて来たかも知れない。それを思うと、二人は魔物にみこまれたように怖ろしくなって来た。
恨みの蠑螺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
でも、その急な崖には、とてもよじ登ってゆくことができないのが、わかっていたから、どんなにかれても、ただ、見ているより仕方がなかった。
女生徒 (新字新仮名) / 太宰治(著)
豊雄夢のさめたるここちに、二九八礼言ゐやこと尽きずして帰り来る。金忠にむかひて、此の年月かれまどはされしは、おのが心の正しからぬなりし。
えらい、東京とうきやうきやくだますのは豪儀がうぎだ。ひよい、といて温泉宿をんせんやど屋根越やねごしやまひとつ、まるで方角はうがくちがつたところへ、わたしつて手際てぎはふのはい。なにか、へんに、有名いうめいきつねでもるか。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雖然けれども顏の寄麗きれいなのと、體格の完全くわんぜんしてゐるのと、おつとりした姿と、うつくしいはだとに心をチヤームせられて、賤しいといふ考をわすれて了ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
○「冗談じゃアない、これでめられてたまるものか……皆さん誰か一つ旦那に頼んでおくんなせえな、是から面白おもしろえ処なんで、今止められちゃア寝てからうなされらア」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それたっ」と、武士ぶしたちが得物えものをとつてむかはうとすると、だれもかれもものおそはれたようにたゝかもなくなり、ちからず、たゞ、ぼんやりとしてをぱち/\させてゐるばかりであります。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
手で叩く真似をすると、えへへ、と権ちゃんの引込ひっこんだ工合ぐあいが、いんは結ばないが、姉さんの妖術ようじゅつかかったようであった。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木葉こっぱであろう? 木葉こっぱであろう?」狐につままれたと思っているのだ。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小さな私が一心をられてしまっている時にこの二人の閑人——老婆がどんな話をしていたのか、思出すことも出来ない。
さては童男をぐなはかされて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
うす汚いあわせ袈裟けさも、夜もすがら野を歩いていたために、狐にかされた男のように草の実や露でよごれていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
会話のやりとりをさせたら、うちの賢夫人も、相当なまどわかしの名人だが、俗受けばかりねらうので、おなじことをしゃべらせても、この半分もスマートにいくまいと思われた。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それは心臓の中で一か月も化膿かのうしていた腫物はれものが、急につぶれたような思いだった。自由、自由! 今こそ彼はああしたまよわしから、魔法から、妖力ようりきから、悪魔の誘惑から解放されたのである。
『あゝ、あゝ、縁起えんぎでもない、南無阿彌陀佛なむあみだぶつ! このふね惡魔あくまみいつなければよいが。』とつぶやいた。
わたくし矢張やは悪魔あくまみいられてたのでございました。——わたくしあらためてここでおびをいたします。
「そうするか。わしのためには、可愛いい弟子だったが、悪にみせられた今となっては、なみだをふるって首を斬ることにするか。おおもう四十分経った。金のやつ、ぐっすり寝こんでいる頃じゃ」
あだか昔物語むかしがたり亞剌比亞アラビヤ沙漠さばく大魔神だいましんみゐられたる綿羊めんようのごとく、のがれんとしてのがるゝあたはず、たゝかはんか、速射砲そくしやほうもガツトリングほう到底とうていちからおよばぬ海底かいていこの大怪物だいくわいぶつ奈何いかせん。
何にせよ、てまえどうかしていたと見えます。兎はちょいちょい、猿も時々は見懸けますが、狐狸は気もつきませぬに、穴の中からでもりましたかな。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「この南の村に、こうという富室かねもちがあるのだ、三娘は其所の女だ、きりょうが良いので評判だったが、二三年前間違えて水莽草を食って死んだのだ、きっとこれがわざをしているのだ」
水莽草 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)