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魅
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つま
ふりがな文庫
“
魅
(
つま
)” の例文
いやしくも
小児
(
こども
)
を預って教育の手伝もしようというものが、まるで狐に
魅
(
つま
)
まれたような気持で、……家内にさえ、話も出来ん。
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何や、狐に
魅
(
つま
)
まれたようなお話で、お聞き下さいましたみなさんは、物足らんように思われますやろが、私も実はけったいな気がしました。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
余り意外だったので、
狐
(
きつね
)
に
魅
(
つま
)
まれたような心地がして
暫
(
しば
)
らく離れて立って見ていると、紅葉は
偶
(
ふ
)
っと
顧盻
(
ふりむ
)
いて気が付いたと見えてニッと微笑した。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
宛然
(
まるで
)
狐
(
きつね
)
に
魅
(
つま
)
まれたやうな
氣
(
き
)
がしました。
帽子屋
(
ばうしや
)
の
云
(
い
)
つた
事
(
こと
)
は
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
だか
譯
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
りませんでした、
併
(
しか
)
しそれはそれでも
確
(
たし
)
かに
英語
(
えいご
)
でした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さうして
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
へ
村
(
むら
)
の
近所
(
きんじよ
)
のものがひよつこり
尋
(
たづ
)
ねて
來
(
き
)
たので
彼
(
かれ
)
は
狐
(
きつね
)
にでも
魅
(
つま
)
まれたやうに
只
(
たゞ
)
驚
(
おどろ
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「おい
兄
(
にい
)
や、どうしてこんなとこへ来たんだいおかしいな、
狐
(
きつね
)
に
魅
(
つま
)
まれたんじゃあないの?」
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
いずれの関門長も俗にいう狐に
魅
(
つま
)
まれたごとく、ことにかの眼の鋭いチーキャブ、二十年以来インド地方に在って
艱難辛苦
(
かんなんしんく
)
を
甞
(
な
)
めつつ種々の世渡りをして来たかの
人足廻
(
にんそくまわ
)
しのダルケさえ
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
その神主は他国の馬骨で、土地に何の関係なければ惜し気もなくかかる濫伐を遂げ、神威を損じ、たちまち何方へか転任し、今日誰が何と小言吐くも相手なければ全く狐に
魅
(
つま
)
まれしごとし。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
『いやもう、狐なら可いが、雀部さんに
魅
(
つま
)
まれてさ。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
なんて
澄
(
すま
)
していらっしゃるんだもの。何だか私たちああんまりな御様子に
呆
(
あき
)
れッちまって、ぼんやりしたの、こりゃあまあ
魅
(
つま
)
まれてでもいないかしらと思った位だわ。
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「えッ?」と私はまるで狐に
魅
(
つま
)
まれたような気がした。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
悟りの悪い看守は狐に
魅
(
つま
)
まれたよう。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
『狐にでも
魅
(
つま
)
まれたんですか?』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
少々舞台に間が明いて、
魅
(
つま
)
まれたなりの
饂飩小僧
(
うどんこぞう
)
は、てれた顔で、……幕越しに楽屋を呼んだ。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『あゝ、
魅
(
つま
)
まれた……
魅
(
つま
)
まれたんだ。いや、
薄髯
(
うすひげ
)
の
生
(
は
)
へた
面
(
つら
)
で、
何
(
なん
)
とも
面目
(
めんぼく
)
次第
(
しだい
)
もない。』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
釣鐘が
目前
(
めのまえ
)
へぶら下ったように、ぎょっとして、はっと正面へ
魅
(
つま
)
まれた顔を上げると、右の横手の、
広前
(
ひろまえ
)
の、片隅に綺麗に取って、時ならぬ
錦木
(
にしきぎ
)
が
一本
(
ひともと
)
、そこへ植わった風情に
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
恁
(
か
)
う
成
(
な
)
ると、
最
(
も
)
う
外聞
(
ぐわいぶん
)
なんぞ
構
(
かま
)
つては
居
(
ゐ
)
られない。
魅
(
つま
)
まれたか
誑
(
たぶらか
)
されたか、
山路
(
やまみち
)
を
夢中
(
むちゆう
)
で
歩行
(
ある
)
いた
事
(
こと
)
を
言出
(
いひだ
)
すと、
皆
(
みな
)
まで
恥
(
はぢ
)
を
言
(
い
)
はぬ
内
(
うち
)
に……
其
(
そ
)
の
若
(
わか
)
い
男
(
をとこ
)
が
半分
(
はんぶん
)
で
合点
(
がつてん
)
したんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いや、これは
可怪
(
おかし
)
いぞ。
一人
(
ひとり
)
ばかり
居
(
ゐ
)
ないのなら、
女
(
をんな
)
が
何
(
ど
)
うかしたのだらうが、
店
(
みせ
)
も
婆
(
ばあ
)
さんもなくなつた、とすると……
前方
(
さき
)
が
攫
(
さら
)
はれたのぢやなくつて、
自分
(
じぶん
)
が
魅
(
つま
)
まれたものらしい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、例の牛蒡丸の
洋杖
(
ステッキ
)
で、そいつを
捻
(
ひね
)
くった処は、いよいよもって
魅
(
つま
)
まれものです。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
半分気味の悪そうに狐に
魅
(
つま
)
まれでもしたように
掌
(
てのひら
)
に受けると——二人を、
山裾
(
やますそ
)
のこの坂口まで、導いて、上へ指さしをした——その来た時とおんなじに妹の手を引いて、少しせき足にあの
径
(
みち
)
を
若菜のうち
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし、
月
(
つき
)
にしろ、
暗夜
(
やみ
)
にしろ、
唯
(
と
)
、おも
入
(
い
)
れで、
立
(
た
)
つて
聽
(
き
)
くと
成
(
な
)
ると、
三
(
み
)
めぐり
田圃
(
たんぼ
)
をうろついて、
狐
(
きつね
)
に
魅
(
つま
)
まれたと
思
(
おも
)
はれるやうな
時代
(
じだい
)
な
事
(
こと
)
では
濟
(
す
)
まぬ。
誰
(
たれ
)
に
何
(
なん
)
と
怪
(
あや
)
しまれようも
知
(
し
)
れないのである。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
何
(
ど
)
うもお
恥
(
はづ
)
かしい……
狐
(
きつね
)
に
魅
(
つま
)
まれましたやうです。」
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「えろう、女狐に
魅
(
つま
)
まれたなあ。」
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
魅
常用漢字
中学
部首:⿁
15画
“魅”を含む語句
魅力
魑魅魍魎
魅入
魑魅
魅惑
妖魅
鬼魅
魔魅
魅惑的
嬌魅
山精木魅
魅込
魅縛
無鬼魅
魅魍
厭魅
魅了
魔魅跳梁
木魅
山魅
...