“無鬼魅”の読み方と例文
読み方割合
ぶきみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
玉輔はたぶん寄席へ来た客が、気分でも悪くなって風にあたっているのだろうと思って楽屋へ入ったが、何となく無鬼魅ぶきみに感じたので、そこにいあわせた前座の者に話すと
寄席の没落 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その嬉しそうな容子ようすと云ったら、母はむっつり屋で滅多に笑顔を見せるような事が無いので、かえって無鬼魅ぶきみに思えたくらいでした。で、私はますます怪しんで母を停めようとする。母は往こうとする。
母の変死 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「其の後、玉音さんは、弟の家へまた引き取られたそうですが、恐らくの病気は癒らないでしょう。こうしておりましても、玉音さんのの苦しそうな声と、無鬼魅ぶきみな法華僧の姿が眼の前に浮んで来ますよ」(玉谷高一氏談)
法華僧の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)