“みい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
魅入24.5%
見入22.3%
9.4%
実入7.2%
視入6.5%
三井3.6%
見出3.6%
2.2%
収入2.2%
凝視1.4%
御井1.4%
1.4%
熟視1.4%
1.4%
瞠入1.4%
三輪0.7%
0.7%
実枝0.7%
0.7%
美津0.7%
0.7%
實入0.7%
0.7%
憑入0.7%
看入0.7%
0.7%
美代0.7%
見瞠0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もろくも溺れるようになったのか、あの人の心に天魔が魅入みいったと思うよりほかはなく、それが口惜くやしくて口惜しくてなりません。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わたしは、じっと、このあおいろ見入みいっていると、たましいも、も、いっしょに、どこかとおいところへえていきそうにおもいます。」
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
母の胎内にいた時のことを忘れたように、自分が僧侶の身であることを忘れて、まったく悪魔にみいられるほどの恍惚たる心持ちになったのでした。
それは太夫元がふと恐しい密謀を洩れ聞いたので、前途のある玉之助のために、実入みいりのよい興行を閉場とじてしまったのであった。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
彼が驚いたのは当然であつた。彼が何心なくぽかんと視入みいつてゐた大空の一角には、実にことさらに星を其形に並べてちりばめたとしか思はれぬ巨大な十字形の一星座が判然と見えるのであつた。
それから附近の村里を問合せてみたが、三井みい郡にはたしかにあって、他の郡にはまだあるという人を知らぬという。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それに対する地球の引力は距離の遠いだけ減っているのを見出みいだし、その大きさが丁度ちょうど距離の二乗に逆比例するということを計算で出したのでした。
ニュートン (新字新仮名) / 石原純(著)
人は高坂のみい、私の名ですね、光坊みいぼうが魔にられたのだと言いました。よくこの地で言う、あの、天狗てんぐさらわれたそれです。また実際そうかも知れんが、幼心おさなごころで、自分じゃ一端いっぱし親を思ったつもりで。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
近所界隈かいわい事情合わけあいには精通しており、戸々の収入みいりから女房たちの前身、亭主の尻の腫物はれものまでも知りぬいている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ああこんなに面白い生き方もあったのかと、私は固いクッションの上に坐りなおすと、飽きる事もなく、なつかしくいじらしい自分の百面相に凝視みいってしまった。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
ですからその子の名を木の俣の神と申します。またの名は御井みいの神とも申します。
ひいふうみいよういつひいふうみいよういつひいふうみいよういつ。」
湖水の女 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
時々ときどき同室どうしつ者等ものらけて、ひとりまどところって、なにかをむねけて、かしらかがめて熟視みいっている様子ようすたれかもし近着ちかづきでもすれば、きまりわるそうにいそいでむねからなにかをってかくしてしまう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
彼等は厳粛な顔をしてかの女のつく手をみいった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
そういいながら、かの女はかえって頼母たのもしそうにむす子の顔をつくづく瞠入みいった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「ちと薄気味でも悪いようだと、御愛嬌ごあいきょうになるんだけれど……なんにもにも、一向要領を得ないんです、……時にだね、三輪みいちゃん。」
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いよ、三輪みいちゃんで沢山だ。お話し、お話し、」と雑貨店主、沢岡が激ました。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いいえね、お実枝はんは近頃日本髪に結うて髪慣らしをしてはるのと違ひますかなんてね、みいさんところの女中に訊ねたりするのですよ。
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
「大丸まで一寸買物に行きますが、一緒にどう? みいさんも行きますの、女の買物なんか辛気臭しんきくさうておいややらうが、おつき合ひなさいな。」
曠日 (新字旧仮名) / 佐佐木茂索(著)
「そういうなっちゃ実枝みい、もうこれですんだんじゃ、今年や十五センチを咲かそ思てなあ、見よってみい」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
実枝みい年忌ねんきの手紙出しといたか」
(新字新仮名) / 壺井栄(著)
しこの世の中からその楽を取去つたら、世の中は無い! 貫一といふ者も無い! 僕はその楽と生死しようしともにするのだ。みいさん、可羨うらやましいだらう
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
翁さん姨さんの頼と有つて見れば、僕は不承知を言ふことの出来ない身分だから、唯々はいはいと言つて聞いてゐたけれど、みいさんは幾多いくらでも剛情を張つて差支さしつかへ無いのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
何や……怪我けが貴方あんたは何やかて、美津みいさんは天人や、その人の夫やもの。まあ、二人して装束をお見やす、ひなを並べたようやないか。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
弟、妹の分にして、丸官はんにいやは言わせぬ。よって、安心おしやすや。え、嬉しいやろ。美津みいさんが、あの、嬉しそうなえ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もらい物ですが、毅一きいさんとみいちゃんに。まだ学校ですか、見えませんねエ。ああ、そうですか。——それからこれはこまさんに」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
みいはどうした? おう、そうか。そうら、伯母様がこんなものをくださッたぞ。うれしいか、あはははは」と菓子のびん
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
與力よりきなかでも、盜賊方たうぞくがた地方ぢかたとは、實入みいりがおほいといふことを、公然こうぜん祕密ひみつにしてゐるだけあつて、よそほひでもまた一際ひときは目立めだつて美々びゝしかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あの白蛇は山口県の吉川藩のお米倉にできる本統の「みいさん」で、名古屋辺りの人造白蛇でない、目の赤い純白のもの。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
裸に憑入みいる魔の葛籠笠と、この凶精きょうせいに取っつかれた美しい処女むすめと——。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
小次郎は、飽かず看入みいっていた。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まあ、みいちゃん、こんなに遅く!」と、新子は、つい自分の遅いのも忘れて、姉らしくとがめた。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それにしても米屋町の美代みいちゃんは今頃いまごろどうして居るだろう。鎧橋よろいばしの船頭のせがれの鉄公はどうしただろう。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
鼈四郎は病友の屍体したい肩尖かたさきに大きく覗いている未完成の顔をつくづく見瞠みいり「よし」と独りいって、屍体を棺に納め、共に焼いてしまったことであった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
難行苦行して漸く江戸へ着いた所が、頼る所もねえのでみい投げて死のうかと思う所を助けられ、其の人のうちに十一年の間奉公をして、漸々よう/\人になりやした。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)